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構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点 【大阪大学グローバルCOEプログラム】

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大阪大学 大学院工学研究科 「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」事務局
〒565-0871 大阪府吹田市山田丘2-1
大阪大学大学院工学研究科マテリアル生産科学専攻内
TEL: 06-6879-7512
E-mail: jim-coe[アットマーク]mat.eng.osaka-u.ac.jp
URL: http://www.mat.eng.osaka-u.ac.jp/gcoe/





拠点リーダー・教授 掛下 知行
大阪大学大学院工学研究科


拠点紹介
「構造・機能先進材料デザイン教育研究拠点」は2007年度グローバルCOEプログラム(化学・材料分野)に採択された材料デザインの教育研究拠点です。金属材料を中心に、結晶性のハードな材料に関わる材料科学・工学の広範な領域を対象として、基礎研究から実用化研究までを幅広く推進するとともに、材料科学・工学の将来を担う人材育成を行っています。本拠点は21世紀COE「構造・機能先進材料デザイン研究拠点の形成」で築いてきた拠点を基盤とし、工学研究科マテリアル生産科学専攻、工学研究科知能・機能創成工学専攻、接合科学研究所、産業科学研究所、超高圧電子顕微鏡センター、原子分子イオン制御理工学センターが参画して、教育・研究の世界的展開を目指しています。

図1
【図1】 21世紀COEプログラムからグローバルCOEプログラムへ


使われてこそ材料
本拠点における材料研究は、金属材料を中心とし、セラミックス、半導体材料等の結晶性のハードな材料を対象に、材料科学・材料工学の広範な領域をカバーしています。具体的には、構造・機能先進材料の基礎物性から、組織制御、製造プロセス、ナノ構造評価、機能性評価、接合・構造体化、利用・廃棄・再資源化まで、「基礎科学」の充実とその先にある「ものづくり」を意識した研究を行っています。
これまでにも、このような研究理念の中から、本拠点が中心となって開拓してきた「ポーラス材料学」とも呼ぶべき新学問領域や、独自の強ひずみ加工プロセスを基盤とした「超微細粒バルク材料学」など、数多くのオリジナルな研究領域が生まれてきました。
取り扱う材料群は、建造物ならびに各種輸送機器用の構造材料、精密機械・マイクロマシンの根幹をなす機能・知能材料、高度情報化社会を担うレーザや超高集積記憶媒体などの半導体オプトロニクス・磁気スピントロニクス材料、さらに医療・福祉にかかわるバイオマテリアルなどです。多種多様・多機能な材料の開発・デザインを、原子・分子レベルからの機能発現メカニズムの解明とそれに基づく最適構造設計によって達成するとともに、構造体化までをも見据え、「使われてこそ材料」という材料研究の原点に立った研究を行っています。

本拠点では、構造材料と機能材料という基盤的に重要な2つの材料を柱としつつも、従来の、ある種古典的な分類を超克した構造材料と機能材料のボーダレス化を図ります(図2-4参照)。すなわち、多様かつ多面的な機能と特性を持った構造・機能先進材料を創製する学術的基盤創出のため、既存学問体系に捉われない新分野に再編し、(a) 構造的用途指向型先進材料研究プロジェクト、(b) 構造・機能融合用途指向型先進材料研究プロジェクト、(c) 機能的用途指向型先進材料研究プロジェクトという3プロジェクトを実施しています。その結果として、力学特性を重視する材料から量子機能を重視する材料まで傾斜的にその機能を捉え、場合によっては、前者に対して他機能(たとえば磁気機能)を、後者に対して力学機能を付与することにより、構造と機能の両方の特性を併せ持つ先進材料の開発が可能となります。
こうした分類に基づく新材料研究として、極限環境下での自己修復作用と力学機能を併せ持つ夢の航空宇宙材料、超軽量省エネルギー型高速輸送機器をはじめとする新規材料、超高集積磁性メモリー素子、フレキシブル素子、超高機能半導体発光素子、超磁歪アクチュエータ素子などに利用できる特殊材料、各種生体組織の自己再生、ならびに再生誘導を促進するための生体再建材料の創製ならびにプロセス開発を推進しています。


図2
【図2】 構造的用途指向型先進材料プロジェクト

図3
【図3】 構造・機能融合用途指向型先進材料プロジェクト

図4
【図4】 機能的用途指向型先進材料プロジェクト


スーパーエリートを育成
本拠点では、競争意識と自立心を具備し、世界の第一線で活躍できる研究力と豊かな国際感覚に基づく教育力を持った教育研究者(スーパーエリート)を輩出することを人材育成の目標としています。
[1] 狭い専門領域に閉じこもらない研究姿勢。
[2] 自己実現できる自由な精神。
[3] 英語を共通語とし、国際的な舞台での活動を当然とする人材。
これらの基礎的資質を有し、今後20年間に国内外の研究・教育拠点の中核人材となり、材料科学・工学分野を先導し発展させる人材を育成していきます。


ユニークな教育プログラム
アドバンストスーパーエリート研究者養成プログラム
博士後期課程学生研究員補助金
プロフェッショナルな研究者としての自覚と自立を促すことを目的に、スーパーエリート候補博士後期課程学生に対し、リサーチアソシエイトとしての給与支援を行います。

自立環境提供型若手研究者公募型研究費
博士後期課程学生、若手研究者により提案される自主テーマに基づき、自立環境 (オープンラボ) ならびに研究費を競争的に分配します。

国内外著名研究者による招聘特別講義
最先端の研究に関する講義 (英語、日本語)
国際的著名研究者および国内の一線級の研究者が最先端の材料科学に関する講義を行います。
材料基礎に関する英語による講義
拠点内若手研究者に対し、国際的著名研究者等が、材料基礎に関する英語による講義を行います。
英語によるプレゼンテーション指導
外国人研究者の指導を通じて、若手研究者の英語によるプレゼンテーション能力の開発を行います。
英語によるグループディスカッション
国際的著名研究者を囲み、英語によるグループディスカッションを行います。
若手外国人招聘
外国人若手研究者を招聘するとともに、海外武者修行プログラムにおける拠点内若手研究者の派遣と併せて、双方向の分野間若手交流を実施します。
国内留学型国際化教育プログラム
海外派遣を必要としない国際化教育の方策として、海外のトップクラスの研究者による長期間にわたるセミナーを実施し、拠点全体の学生のレベル向上を図ります。
恒常的国際化環境整備プログラム
拠点内に常に外国人研究者を雇用することで、英語でのディベート訓練、英語論文執筆訓練を受けることができる環境を整備し、日頃から英語を利用し、英語に接する環境を作ります。

アドバンスト海外武者修行プログラム
博士後期課程学生海外派遣制度。博士後期課程学生に対し、国際的研究者の育成を目的とし、関連の海外研究機関に数ヶ月以上派遣し、共同研究を実施しつつ、研究者としての基礎能力、ディスカッション能力の開発を行います。機関協定を結ぶグローバル材料研究アライアンス内の海外機関(英ケンブリッジ大等)への派遣を推進しています。

アドバンストブーメランプログラム
(独)物質・材料研究機構若手国際研究拠点 (ICYS) との国際化サマースクール制度の共催など、国際化を重視した体制を強化しています。


実社会のニーズにこたえる
本拠点は基礎科学をその主たる対象としていますが、材料として社会に貢献するために、産業界のニーズにも的確に答えることを目指しています。そのために、素材産業と基幹専攻であるマテリアル生産科学専攻が連携した新たな組織として素形材プロセス共同研究講座を2007年度に設置し、実用化に向けての展開を図っています。
この素形材プロセス共同研究講座との連携関係において、若手研究者が企業研究者との様々なディスカッションを通じて、実社会の材料に対するニーズを的確に認識し、次世代材料の実現に向けての基礎研究を学ぶことができます。
また大阪大学知的財産本部のルールのもと、共同研究講座を通じて研究成果の産業応用ならびに社会への還元を具現化する体制を構築していきます。