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「実践的化学知」教育研究拠点 【早稲田大学グローバルCOEプログラム】

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早稲田大学 大学院先進理工学研究科
「実践的化学知」教育研究拠点 事務局
〒169-8555 東京都新宿区大久保3-4-1
TEL: 03-5286-2817
E-mail: GCOE-Prac-Chem[アットマーク]list.waseda.jp
URL: http://www.waseda.jp/prj-GCOE-PracChem/index_j.html




拠点リーダー・教授 黒田 一幸
早稲田大学 大学院先進理工学研究科


1.拠点形成の目的
本拠点名である「実践的化学知」(Practical Chemical Wisdom)とは、社会・人間に関わる課題について俯瞰的な問題意識を起点に、実用を強く指向した複合化学である「メソ化学」を推進する英知・知力を意味しています。本拠点は、それら「英知」の構築と化学系研究者の「知力」養成を目的としています。
21COE「実践的ナノ化学教育研究拠点」の実績を踏まえ、ナノ構造体をボトムアップで創製できる実力を土台と位置づけ、環境に優しく人間生活に貢献する革新的材料開発を指向したメソ化学を拠点の指導原理として、実践的な研究の展開および国際連携を通した世界水準の人材育成を図っています。活力溢れ魅力ある共同研究・産学連携をグローバルに展開し、その研究ダイナミズムのなかに人材育成プログラムを組み込み、若手研究者の能力をスパイラルアップさせます。
前述の「メソ化学」は、ナノスケール化学を超えるメソスケール複合化学の実践です。メソスケールでの物質描像に基づく次元・階層・時空間を意識した材料設計と創出を、若手研究者参画のもと強力に展開することで、化学の隣接分野を取り込みながらメソ化学の学問領域を開拓し、技術革新を誘発し社会に貢献する化学・材料科学分野の世界拠点の一つになることを目的としています。

図1
【図1】 「実践的化学知」概念図


2.拠点運営体制
実践的化学知の創出に向けて、精密合成部門、階層制御部門、界面・表面部門、生体機能部門、理論・先端計測部門の5部門を設置し、メソ化学の学術創製を行っています。拠点内での公募による相乗的連携研究、実用化を意識したプロトタイプ研究など、拠点形成を促進する様々なプログラムを実施しています。事業推進担当者が研究・教育プログラムを担当し、事業推進協力者の協力を得て、グローバルな視野で質高い連携の切り込みを促進しています。


3.人材育成
本拠点の人材育成は以下の点を柱に展開しています。
1) 博士修了者の国際水準の保証と支援体制:数多くの博士学位取得者を経済支援しつつ、質高く輩出します。また、気鋭の欧米教授を博士課程学生の研究アドバイザーとし、定期的に接触させるとともに、学位論文の副査を委嘱し、審査の国際水準を保証します。
2) 徹底した化学英語訓練を基軸とする国際性の涵養:国際的コミュニケーション力の格段なる向上に向けて合宿形式の実践的化学英語中級講座とあわせ、米ミシガン大との共催プログラム「実践的化学英語上級講座(Ann Arborキャンパス)」を開講し、若手研究者を派遣します。
3) 若手研究者の雇用と支援:若手研究者から選抜し、客員准教授・研究助手などとして雇用します。若手主導の研究を奨励研究費で育成・支援します。
4) 実践研究の訓練:「メソ化学実践ラボ群」を整備し、若手研究者に産学・海外との連携研究に参加させ、実学の尺度で厳しく評価・指導し、足腰強く志高い研究者を養成します。「実践的化学知G-COE研究所」を中核とし、既設の「先端科学・健康医療融合研究機構」、「ナノプロセス研究所」、「ナノテクファウンダリ」など学内組織も活用し、実践的な視点をもたせ、社会貢献意識を育みます。
5) 責任ある研究者の育成:RCR(Responsible Conduct of Research)委員会を設置し、研究倫理に関する教育プログラムを必修とし、「研究の誠実性」を育みます。
6) キャリアパス支援:本学ポスドクのキャリアパスの一環として活用し、一流の研究機関・大学、企業研究所などへの接続・転出を強力に支援します。

博士課程学生募集~博士課程での教育プログラム~
本グローバルCOE拠点(代表:黒田一幸/理工学術院 応用化学専攻)では、実践的な研究の展開および国際連携を通した世界水準の人材育成を行っており、国内外から、広く博士課程学生を募集しています。

図2
【図2】 世界のリーダーとなる若手研究者教育プログラム

図3
【図3】 若手人材のキャリアの流れ


4.研究活動
社会ニーズを反映させた課題設定を行うとともに実践的な方法論を基に「化学知」を集積し、次世代物質創製の鍵となるメソ化学を学術創成し、国際的定着を図っています。外部評価も取り入れ、拠点形成に取り組んでいます。

部門名 事業推進担当者
精密合成部門 西出 宏之、柴田 高範、清水 功雄、中田 雅久、松方 正彦
階層制御部門 黒田 一幸、菅原 義之、武岡 真司、平沢 泉、本間 敬之
界面・表面部門 逢坂 哲彌、小川 誠、小柳津 研一、関根 泰、堀越 佳治
生体機能部門 竜田 邦明、木野 邦器、桐村 光太郎、竹山 春子、常田 聡
理論・計測部門 古川 行夫、朝日 透、中井 浩巳、門間 聰之


<本拠点における研究>
  • ナノスケールを超えるメソスケール複合化学「メソ化学」を推進、実用化を意識した融合研究により実践的化学知を創出
  • 理論・先端計測/次元・階層・時空間を意識した物質・材料設計と合成メソスケールでのキャラクタリゼーションに基づく物質描像と構造制御/表面・海面のダイナミクスと機能制御
  • カバーする学問領域: 物質創製化学(有機合成、無機物質、高分子)、機能物質化学、構造化学、応用物理化学、応用生物化学、触媒化学、半導体化学、反応プロセス工学、境界・隣接分野(医化学・生体関連化学、デバイス工学、資源・エネルギー・環境)


    5.海外との連携
    海外協働拠点の形成
    協定先の中心研究者を短期間雇用・招聘するとともに若手研究者を派遣して、国際的な共同研究を効率的に推進しています。国際的な視野での人材交流とメソ化学に関する成果を集積しています。

    国際的な情報発信
    「実践的化学知」創出に向けた国際シンポジウムを主催しています。また、出前型シンポジウム「海外成果報告会」を、海外拠点を足場として開催しています。情報発信媒体を定期刊行し、世界拠点としての知名度を向上させています。