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掲載機関:自然科学研究機構 分子科学研究所 協奏分子システム研究センター  掲載日:2013/10/02

“Who has seen the moleculas?”―誰が分子を見たのでしょう?―

鹿野 豊 (しかの ゆたか
大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 分子科学研究所
協奏分子システム研究センター
若手独立フェロー(特任准教授)


Address:  〒444-8585 愛知県岡崎市明大寺町字西郷中38番地
URL:  http://qm.ims.ac.jp/?lang=en


ナノテクノロジーの進歩目覚ましい現在、分子の存在を疑う人はいませんが、あなたも私も、分子の姿を日常的に直接見たことはありません。けれど、分子は常にその姿を変え、機能を変え、私たちの環境や技術を変えていきます。
私はこれまで、量子基礎論や量子情報科学の分野で、「測定」と「ダイナミクス」をキーワードに量子力学に立脚した測定理論の研究を行ってきました。分子科学の領域では新参者ですが、「そもそも何を測定するのか」「そこから何が新たにわかるのか」そして「分子科学の本質にどこまでせまれるのか」という課題に挑戦する決意を掲げて日々机に向かっています。これらの課題を解決したとき、目には見えない、けれど確かに私たちの周囲で働いている分子を、自在に制御することが可能になり、さらに、分子を使った技術へ応用することもできると考えています。
また、分子運動論を支える熱力学や統計力学といった物理法則やそこで用いられるエントロピーの概念を、情報科学の立場から検討し、発展させることを考えています。
分子科学の成果は、着実に積み上げられ、それによって今まで「見えない」とされてきたものが、実は「見える」ものになりつつあります。測定や制御の技術が進歩し、1つの原子すら観察が可能になりました。しかし、見えるものが増えるとさらに見えないものがあることも明らかにされます。一体、何をもって「見える」というのでしょうか。また、見えることで何が分かるのでしょうか。この疑問をもちつづけながら、私は日々問題に取り組んでいます。