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田中貴金属・金線、他貴金属製材料


概要

田中貴金属グループは、その事業の9割を工業製品用貴金属部品の製造・販売がしめる金属素材メーカーであり、製品を世界中に供給している。世界シェアトップを誇る製品も同グループから生み出されている。今回は、同グループが手掛ける様々な工業用貴金属を紹介する。


半導体の生命線‐金線(ボンディングワイヤ)

ボンディングワイヤは、半導体の集積回路(IC)チップ状の電極と、基盤上の内部配線をつないで、電気を流す役目をする。純度99.99%以上の高純度金ボンディングワイヤは金線と呼ばれ、同グループが手掛ける金線は、世界シェアトップを握る。

金線が極限にまで細く長ければ、顧客側のコスト削減にもつながるため、同グループ内の田中電子工業では、金線を極限にまで細く、長くする技術を磨いてきた。当初直径25μmの製品が主流だったが、今では直径15μmの製品が量産化できるようになっている。細くても強い線を作るために添加物を工夫する、といったノウハウを積み重ねている。また、細い金線は、家電の小型化が進む近年にあって需要が高まっており、細くまっすぐでゆがみのない金線を製造する技術は今後も同社の製品品質を支えていくであろう。

また、近年では、金の価格上昇が進んでいるため、銅や銀のワイヤも開発・生産を進めている。銀製ワイヤは、実装にあたって金製と同じく窒素ガスのみで使用できるため、新たな設備が不要である。導入に際して金製からの容易な切り替えが可能なため、今後の需要が見込まれている。同グループでは今後も進む代替材料の研究に力を入れ常に貴金属の先端分野を開拓し続ける。


接点材料

中高電流用リレーおよびスイッチ用の接点材料の世界市場でも、同グループは約40%のシェアを持っている。また、小型モーター用摺動接点材料の市場でも、50%以上と高いシェアを誇る。
これらの接点材料は、自動車、DVDプレーヤ、ゲーム機、携帯電話のバイブレーターなど組み込まれており、スイッチやリレー、モーターの耐久力向上のためにも消耗に耐える接点材料の開発が要求されてきた。
環境や人体への毒性が問題視されている、カドミウム(Cd)を排除した材料の開発にも、約20年前から取り組み、世界各国のカドミウム規制に対応している。カドミウムを使用しないことで問題となる部分も、化合させる酸化物量に工夫を重ねて、従来の材料を越えるあらたな材料を開発してきた。
同グループが誇る高シェアは、これらの要求をクリアしてきた結果であり、同グループの技術力・開発力がうかがえる。


貴金属と創る人類の未来

金・銀・プラチナに代表される貴金属は、耐腐食性や触媒作用に優れ、家電製品の内部や医薬品の創製プロセスで多用されている。近年は環境やエネルギーに配慮した製品にも貴金属の有用性が期待されている。

例えば燃料電池。貴金属材料が使われるのは、固体高分子形(PEFC)やダイレクトメタノール形(DMFC)、リン酸形(PAFC)の燃料電池である。これらの燃料電池において、貴金属材料は水素と酸素を反応させるための電極触媒としての役割を果たす。具体的には、直径30nm程度のカーボンの粒子に,直径2nm‐4nmのPt(白金)、PtCo(白金コバルト)あるいはPtRu(白金ルテニウム)の粒子を結合させた材料が用いられる。
田中貴金属グループでは、これらPEFC燃料電池およびDMFC燃料電池に用いる触媒の市場で世界シェア60%を獲得している。同グループは現在も、さらに高性能で低コスト、耐久性にすぐれた触媒の開発を進めている。

この他にも田中貴金属グループが手掛ける環境・エネルギー事業は多岐にわたる。
太陽電池セルの配線材や反射膜に使われる銀、燃料用水素を生成するための電極に使われるイリジウム、高輝度白色LEDの部品となる金やプラチナなどである。

また、新たな水素精製技術として期待される、パラジウムを使った水素透過膜も、同グループが開発を進めている。パラジウムの薄膜は、水素のみを透過する性質を持っており、この膜を利用すれば水素を含むガスから極めて高い純度の水素を抽出することができる。すでに、半導体製造に使うプロセスガスの超高純度精製用などに実用化されている。従来の水素精製装置を、この技術を使って精製する方式に置き換えると、装置の容積は3分の1にできる。また、可能性として、改質プロセスの温度を700℃~800℃から500℃~550℃に下げるとともに、効率を30%から70%にまで引き上げることが期待されている。
パラジウムの水素透過膜を使って消費者向けに水素を提供する装置を実用化するには、10μm程度と極めて薄いパラジウムの薄膜を製造する技術を確立しなければならない。同グループでは、すでに厚さ5μmのPd薄膜を製造できる技術を実現しており、量産向けの水素透過膜の開発も進んでいる。2015年に水素燃料ステーションを実用化する計画が、わが国では進められており、同グループでもこの年を目標に実用化を目指している。

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ライター:Hiromi Jitsukata
2012.08.27 執筆

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http://www.tanaka.co.jp/index.html
(Tanakaホールディングス株式会社)
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水素透過膜 スペック
用途: 高純度水素ガス精製装置、水蒸気改質ガス水素製造装置など
圧延箔
特長 -板厚最小5μm、板幅最大200mmまで対応
-合金溶解から圧延まで一貫加工
-2元系、3元系など幅広いパラジウム合金に対応可能
-不溶性介在物混入を最小限に抑制した高清浄プロセス
対応範囲 板厚:最小5μm
板幅:最大200mm
製品形状:シート状(角、円など)
管材
特長 -肉厚最小45μm、外径最小1.5mmまで対応
-溶接欠陥の無いシームレスパイプ
-合金溶解から造管まで一貫加工
-2元系、3元系など幅広いパラジウム合金に対応可能
対応範囲 肉厚:最小45μm
外径:最小1.5mm
長さ:最大1,500mm