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本田技研工業・自動二輪車NC700X


概要

ホンダの自動二輪車事業への想い

ホンダの通称で知られる本田技研工業は、二輪車世界トップのシェアを誇り、四輪車のみならず、二輪車のメーカーとして世界に存在感を表している。
そもそものホンダの自動二輪車製造のはじまりは1946年、主な移動手段が自転車であった時代に自転車用の補助動力源として無線機発電用小型エンジンを改造し、二輪車時代の先駆けとなったことである。
またホンダの二輪車製造に対する理念に「多くの人に喜んでもらえるものをつくりたい」といったものがあり、数々の時代を先取りする新型製品を世に送り出し、多くの人々の交通手段として貢献してきた。

「二輪車をもっと手軽な道具として、誰もが使えるように」というコンセプトのもと発売された「スーパーカブ」は、世界のあらゆる地域で使用された。これによって、「スーパーカブのHonda」と知名度を大いに上げ、国際二輪業界において日本のメーカーが覇権を握る下地となった。
スーパーカブは「世界で最も多く製造されたオートバイ」となり現在は販売累計7,300万台を達成。また1969年には、ハイウェイ時代の幕開けとともに「Dream CB750 Four」を発売。国内市場に大型二輪車のカテゴリーを新たに築き、スポーツバイクブームを起こした。その後も様々な幅広いカテゴリーで代表的な商品を生み出していき。日常生活の便利な移動手段から、爽快な走りを楽しむレジャーまで、それぞれのライフスタイルをより豊かにするために、多彩な「走る喜び」を提供してきた。
また、創業者本田宗一郎は4輪レース出場経験を持ち、レース活動における技術研鑽が自社製品の品質向上につながるとの考えを持っていた。歴代経営者も何らかの形でレース部門に関わっており、「レースはホンダのDNA」と表現される。国内で鈴鹿サーキットとツインリンクもてぎという2つの国際サーキットを運営し、F1世界などの各種レースイベントに利用されている。
このように、時代の需要に応じて様々な製品の提供を通じて、日本の交通インフラ発展に広く貢献してきたホンダから注目すべき新グローバルエンジンが登場した。
それを搭載したのがNC700Xである。


新型エンジンの特性

ホンダの自動二輪車の中でもミドルクラスでありながら高度な低燃費性能を実現したのがNC700X。ここには世界トップクラスのエンジンメーカーである同社の技術力が集結されている。自社で良質のエンジンを開発できることがホンダの強みでもある。
NC700Xのエンジンには「次世代グローバル700ccエンジン」及び「第二世代デュアルクラッチトランスミッション」を搭載。
燃焼の高効率化と燃費の向上に寄与する低フリクション化を徹底的に追求した新開発の700ccエンジンは、ボア×ストロークを73mm×80mmに設定。 最適なバルブタイミングを設定したことに加え、ピストンに樹脂コーティングを施すとともに、摩擦を低減するローラー式のロッカーアームには二輪車初となる 軽量アルミ素材を採用。また、270°位相クランクによる不等間隔爆発と1軸1次バランサーの採用により、振動を低減させながら心地よい鼓動感 を味わえるエンジンを実現している。排出ガス浄化システムは、浄化効率を最大化させるため、キャタライザー(三元触媒)をエキゾーストポートの直下に配置したことにより、燃焼ガスを高温のまま触媒に通すことで、エンジンを始動後にキャタライザーを早期活性化することができる。また、電子制御燃料噴射装置 (PGM-FI)も組み合わせたことで、力強くスムーズな出力特性でありながら、優れた環境性能を実現している。
「ホンダの二輪車開発における新たなチャレンジの方向性で、これまでの考えに固執することなく新たな可能性を追求し、異なる価値を高次元で融合させる」思想に基づいて実現したのがNC700Xである。

レースなどの競技ではない一般的な走行においては、140km/h以下、エンジン回転が6000rpm以下という条件での走行が大多数であるが、この条件下で快適に、かつ優れた低燃費性能を実現することが可能となった。

乗り心地についても、サスペンションとしてフロントにクッションストローク153.5mmのテレスコピックタイプを、リアにアクスルトラベル150mmのプロリンクサスペンションを採用することで路面追従性に優れた走りを可能とし、低重心により車体を操る楽しさをライダーが実感できる仕様となっている。
また、燃費性能を高めたことにより、燃料タンクを小型化し、シート下に配置したことにより、従来の燃料タンク部にはフルフェイスヘルメットも収納可能な21Lの収納スペースを装備することが可能となっており、従来の二輪車よりも機能面でも優れたものとなっている。


拡大する海外需要に対応した供給体制


現在ホンダは四輪車を中心として世界での販路拡大をこれまで以上に精力的に進めており、二輪もこの例に漏れない。
NC700Xを始めとする、ホンダのNC700シリーズは、その燃費の良さと乗る楽しさを両立しており、世界各国で注目されている。今後、世界の二輪市場において、「日常的な通勤や買い物から、郊外へのツーリング等の用途まで楽しめる」新しいコンセプトのミドルクラスバイクとして、顧客を獲得していくことが期待されている。

ホンダのアジア・大洋州地域全体での二輪車生産能力は2011年には約1,275万台に到達。これらの地域では経済成長を背景とした旺盛な二輪車需要がグローバル市場を牽引し、先進国への輸出拠点としても重要な役割を担っている。タイでは自国向けに加え、周辺国や欧州・北米などへの二輪車の完成車・部品の供給といった、 国をこえた供給体制を展開。インドでは、既存工場の生産能力を拡大するとともに新工場を建設し、広大な国土をより効率的にカバーする生産体制の構築を進めている。インドネシアではスクーターモデル専用の新工場を建設し、既存工場と合わせ年間約530万台の生産を計画。またベトナムでも新工場の建設を予定している。発展するアフリカ市場には低価格戦略車を投入。2011年には新型の小型二輪車「Ace CB125」「Ace CB125-D」をナイジェリアで発売。ホンダは、今後の需要拡大が見込まれる他のアフリカ諸国にもこの低価格な小型二輪車を随時投入し、販売の拡大を計画している。


時代のニーズにこたえる製品を目指して

現在、企業には環境基準に対応した製品の提供が求められており、日本の主要産業である自動車業界も時代に対応した新製品の開発に力を注いできた。
これまでに日本だけでなく全世界から多くのユーザーを獲得してきたホンダの製品は、時代に対応したあらたな技術で挑戦を続けることによって、人口増加が続く世界全体の交通インフラが抱える環境問題改善に繋がるであろう。
そして、「乗り心地の良さ」と「低燃費性」という異なる価値を高次元で融合させる、という新たな発想を実現できることがホンダの強みでもあり、今後も新規のユーザーを獲得し続けていくだろう。

また、同社では航空機事業(→HondaJet)にも力を入れており、エンジンから機体に至るまですべてを自社で開発・製造出来るという強みを持っている。これは、自動車メーカーとしては世界でも異例のことである。まさに、日常生活からビジネスや旅行、スポーツまで幅広くカバーする輸送機器メーカーとして、ホンダはその地位を確立しようとしている。


ライター: Shinya Ogo
2012,01,11 執筆

http://www.honda.co.jp/NC700X/
(本多技研工業株式会社・NC700Xページ)
NC700X
〔 〕内はTypeLD
車名・型式 ホンダ・EBL-RC63
全長(mm) 2,210〔2,195〕
全幅(mm) 830
全高(mm) 1,285〔1,255〕
軸距(mm) 1,540〔1,525〕
最低地上高(mm) 165〔140〕
シート高(mm) 830〔800〕

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