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3Dプリンター | 株式会社オープンキューブ・SCOOVO C170


概要

製造業に革命を―3Dプリンター時代の幕開け

2013年2月、アメリカ合衆国のオバマ大統領は一般教書演説においてアメリカの製造業を再生させるための革新的技術を訴えた。そのひとつが3Dプリンターの活用であり、以降、世界各地で3Dプリンターは急速に注目を浴びるようになった。

3Dプリンター自体は、1978年ごろからアメリカおよび日本の研究者がそれぞれ独立した研究を行っていた。そして1981年、当時、名古屋市工業研究所に勤務していた小玉 秀男は、光造形法の特許を世界で初めて出願した。この時の技術が、3Dプリンターの基盤技術となる「積層方式による3次元造形法」であり、現在では、粉末樹脂やエンジニアリングプラスチック、石膏や金属などさまざまなものを素材として層を重ね、3次元のものを造形できる技術へと発展している。
実用化・製品化は1984年にアメリカで、チャールズ・ハルが特許を取得し、1986年に3Dシステム社を創設することで、アメリカが主体となって進められた。

3Dプリンターによる造形では、材料となる素材を、等高線模型を作るように一層ずつ重ねながら必要な形を造り上げていく。切削加工を必要としない、あるいは金型がいらない、新たな3次元造形法として製造業の大幅な効率化を促し、産業そのものにも革命をもたらすと期待されている。
具体的には、これまで手作業で数週間かかっていた精密な試作品が、3Dプリンターの導入によって早ければ数時間で、遅くとも一日以内に完成できる。一つの新製品を作るには、部品単体も含め数百の試作品が必要なこともあるため、3Dプリンターが効果的に使われることで、開発そのもののスピード化が大幅に改善されている。2次元では確かめることのできなかった質感や手ざわりも実際に確かめることができるようにもなる。少量生産の製品、よりディティールに渡ってのカスタムが必要な最終製品でも、大掛かりな装置や人手がなくても3Dプリンター一台で生産できるようになれば、生産時のコスト削減が可能になるのだ。

また、医療分野では、細胞そのものを積層していくことで、組織や臓器を作り出す医療用3Dプリンターの研究も進められており、試験的に血管や肝臓、耳などが人間の細胞から作られている。人口骨や義手・義足なども安価に作れるため、成長の早い子どもの体に合わせて作り変えていっても、従来の方法より経済的負担はずっと少なくなる。
さらに、航空宇宙産業では、物資の調達が困難な宇宙空間で、3Dプリンターによってモノを作り出し活用することを目指し、NASAなどが無重力状態で使える3Dプリンターを開発している。


家庭内から工業用途まで幅広く対応、「熱溶解積層法」(FDM)


現在広く「3Dプリント」として報道されている3次元造形法は、熱溶解積層法(fused deposition modeling/FDM)である。エンジニアリングプラスチックを素材として層を重ね、結果として樹脂製の立体物を作成することができる。安価なFDMの3Dプリンターはアメリカを中心に多種多様なものが開発されており、教育現場や家庭でも活用されるようになっている。
強度や加工性に優れたABS樹脂を素材として使用するため、作成物は幅広い用途で使用することができる。高性能の機種では、かなり精度の高いものも作成することが可能だ。また、整形後の後処理もほとんど必要ないことが、家庭や教育機関での導入を可能にしている。

現在、FDMの3Dプリンター生産はアメリカの大手企業2社によってほぼ独占されている。しかし、3Dプリンター開発において要となる、素材開発技術と工作機械開発技術は日本が得意とする技術であり、我が国でも高性能、高品質の機種が開発できることは想像に難くない。特に、大学においては最先端の学術に裏付けられた高度な技術を備えたものが開発されており、3Dプリンターでベンチャー企業を興すことも十分考えられる。世界的に3Dプリンターの需要が高まる中で、我が国でもこの潮流に乗って国際的に評価される製品を送り出すことができれば、日本にとっては新たなビジネスの開拓にもつながる。
国産の良質なFDM用3Dプリンターを製造し、日本のものづくりの再生を担いたい―そのような使命感のもとで製造されたのがオープンキューブ社のSCOOVOTMC170である。


SCOOVOTMC170―こだわりぬいたメイド・イン・ジャパンの家庭用3Dプリンター

2013年8月、設計、使用材料、ランニングコストなど、様々な面で同クラス機種の最高性能を目指したSCOOVOTMC170が発売された。
SCOOVOTMC170の主な特長は以下の通りである。

高精細な積層性能を支えるスマートスライドレール―作成時の要となるX・Y・Zの3軸に硬質アルミニウムを精密に加工したスマートスライドレールを採用、精細な制御を実現。
0.1mmの最少積層ピッチ―同クラスの機種では最高レベルのピッチ数で、滑らかな表面を持つ完成品を作成。
独自設計のエクストルーダ―安定した射出を可能に。
造形の材料として農産物由来のポリ乳酸を使用―エコ素材であり、また身体面にも安全に使用が可能。現在普及しているABSと比べても強度面では遜色がない。低価格で提供しており、他社製品と比して低いランニングコストが実現。
非加熱式ベッドの採用―多くの機種で採用されている加熱式造形ベッドではなく、安全性にすぐれ、低消費電力に寄与する非加熱式ベッドを採用。

社内スタッフがすでに流通している設計図と、自社の技術を組み合わせて企画・設計し、国内の工場で日本人技術者が生産しているため、問い合わせやアフターサポートにもきめ細やかに対応できる体制が整っている。ユーザー同士が設計図の3Dデータを交換し合うコミュニケーションサイトも開設し、ユーザー自身が自由な発想でものづくりを発展させていくことも狙っている。

同機は、パーソナルユーズのプリンターだが、製造業の現場や研究機関でも使える高機能の3Dプリンターの開発も企画されている。そして、同社が最終的に目指すのは、日本製の高機能・高品質3Dプリンターが世界のものづくりを席巻すること、さらにものづくり大国ニッポンが再び国際市場で活躍することである。

個々のニーズにきめ細やかに対応した製品を作り出すとき、3Dプリンターはその実力をいかんなく発揮する。高機能の3Dプリンターを優れたユーザーが使えば、一人一人がメーカーとなってビジネスを開拓することも可能である。SCOOVOTMC170は、日本人に眠るものづくりの心を呼び覚まし、オールジャパン体制で製造業を発展させていくきっかけとなることが期待されている。


ライター:Hiromi Jitsukata
2013.08.16 執筆

https://www.open-cube.co.jp/
(株式会社オープンキューブ)