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Products (伝統工芸)

日本のやきもの


概要

陶磁器の製造を含む窯業は、人類最古の産業の一つである。特に、原料として使用可能な粘土が産出し、焼成の際の燃料となる樹木が豊富に入手できる―すなわち豊かな森林がある土地では、窯業は古くから主要産業として発展してきた。現在発見されている最古のやきものは、チェコで2万9000年前から2万5000年前に製作されたとされる人形であり、また、やきものの器は、1万8,000年前に製作されたとされるものが中国南部から出土している。
日本もまた、原料となる陶土と、燃料として使用可能な森林資源が豊富な国土であり、窯業の歴史は世界でも最古の部類に入る。現在日本で発掘されたもっとも古いやきものは、約1万6,000年前の調理用の土器である。5世紀ごろからは、世界的な陶磁器の生産国であった中国との交流の歴史の中で、先端製陶技術を取り入れてきた。さらに、中近世を通して、時の為政者の政策や、貿易方針、また日本の文化の志向性が、製陶産業にとっては大きな追い風となり、我が国をやきもの大国へと押し上げた。
20世紀には、製陶産業も工業化や製品の大量生産の波を受け、統一規格の製品を計画的に量産する製陶企業が登場する。ノリタケやナルミといった、世界を代表するブランドを製造している企業もこのころ設立された。1910年代から1920年代にかけては、陶磁器の最大輸入国であったアメリカへの輸出が急激に増加する。第一世界大戦によりヨーロッパでの生産・輸出が衰退したことも影響していたという。1970年代から80年代後半にかけては内需向け外需向けともに生産の最盛期であり、日本は主要な陶磁器輸出国の中でも輸出額で一二を争っていた。また、1993年まで、アメリカでは、日本製の陶磁器がシェア1位の地位を占めていた。
現在では、陶磁器産業から発展して、工業ファインセラミックスの開発・製造を行う企業も数多く、セラミックス産業が日本の主要産業へと発展している。
やきものづくりは日本のものづくりの源流にある産業といえるだろう。

焼きものの種類
土器 釉薬をかけず、800℃前後の温度で基本的には野焼きしてつくられる。気孔質。透水性が高い。
陶器 通常釉薬をかける。900℃~1300℃の温度で、窯で焼く。厚手。吸水性がある
炻器(せっき) 釉薬はかけないことが多い。1100℃~1300℃の温度で、窯で焼く。吸水性はほとんどない。
磁器 岩石が主成分の磁土を原料とする。また、1300℃前後の高温で焼く。半透光性。吸水性がない。薄手で硬い。


窯業のふるさと

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主要産地・メーカー
ノリタケ(ノリタケカンパニーリミテド) 日本で初めて本格的なディナーセットの製造に成功し、米国で絶大な人気を博した。白色のノリタケチャイナが有名。陶磁器製造から派生した、研磨技術、セラミック製造技術、電子回路基板印刷技術などで、電子部品やファインセラミックス分野も世界的に著名。
ナルミ(鳴海製陶) 日本で最初に工業化に成功したボーンチャイナが有名。業務用食器に力を入れており、ホテル、レストラン、旅客機などに広く供給。近年は工業用ガラス製品分野も拡大している。
栃木県益子町 益子焼。関東最大の生産地
日用の雑器を生産。
岐阜県土岐市 美濃焼。陶磁器生産額は日本一。
愛知県瀬戸市 せとものの由来となった瀬戸焼の産地。器だけでなく、かつては、ノベルティと呼ばれる陶器人形なども有名で、アメリカを中心に盛んに輸出されていた。
石川県南部 九谷焼。九谷五彩とよばれる赤、黄、緑、紫、紺青による、豪快かつ華麗な色柄が特徴的な磁器で有名。
滋賀県甲賀市(旧信楽町) 信楽焼。中世から続く陶都
タヌキの置物に代表される、食器以外の大物も有名。
京都府京都市 京焼・清水焼。かつての都、すなわち消費地に近いという利点から発展してきた。原料となる陶土はほとんど産出しない地域だが、都に集まった優れた陶工たちによって洗練されてきた、華麗な絵柄が特徴となっている。
岡山県備前市 備前焼。8世紀ごろから窯が築かれ始め、窯業の伝統が脈々と築かれてきた。硬い製品が特徴で、「落としても割れない」とも評される。

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