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Products (化学 - 化学合成品)

帝人株式会社・PENフィルム


概要

世界初のPENフィルム
プラスチックは今や私たちの身近になくてはならない素材である。中でもとりわけなじみ深いプラスチックは、ポリエチレンテレフタラート/PETだろう。このPETに代わるプラスチックとして広まりつつあるのが、ポリエチレンナフタラート/PENである。そして、PENのメーカーとして世界的に知られているのが、今回紹介する帝人である。
帝人は、日本を代表する化学工業・繊維企業である。同社では、1964年よりPENの研究開発に乗り出し、世界に先駆けて工業化に成功、1990年にはテオネックスというブランド名で事業化した。
PENはよく似た特徴を持つPETに比べ、耐薬品性や強度などで優れた特性を示しており、現在、工業用部品、食品包装、医薬品包装などの用途で着実に市場を開拓しつつある。PENフィルムは、PENがPETよりも薄肉化しやすいという特性を生かして、精度や高機能性が求められる光学関連製品、太陽電池、燃料電池、高記録密度磁気テープなどの部材に使用されている。例えば、フレキシブルプリント回路基板(Flexible printed circuits/FPC)、有機半導体、ICカード、被膜絶縁体、電子ペーパー、有機ELデバイスなどである。 
テオネックスⓇフィルムは、対PETフィルムにおいて下記の優位性がある。


PETフィルム テオネックスⓇ
破断強度 460Mpa 550MPa
ヤング率 10.7GPa 12.2GPa
熱収縮率(150℃に30分)
1.5% 0.4%
ガラス転移温度
110℃ 155℃
連続使用温度
105℃ 電気特性180℃
機械特性160℃
耐加水分解性(伸度保持率60%の時間)
50時間
200時間
水蒸気透過率
4.1g/m2/24時間(125㎛) 1.2g/m2/24時間(125㎛)
オリゴマー抽出量
15mg/m2hr 2mg/m2hr
さらに、多機能、軽量化、環境負荷低減が求められる自動車工業分野へ向けて、新たな製品や技術が研究・開発されている。

レーヨンから炭素繊維へ、人類の未来を体現する

人類初の人工繊維、レーヨン。人類が長らく抱いていた高級繊維・絹への憧憬を、もっと身近なものとして体現した繊維。帝人の原点には、当時の夢の素材・レーヨンがあった。レーヨンの需要が世界的にも高まるさなかの1914年、米沢高等工業学校(現・山形大学工学部)の科学者である秦 逸三と、大学の同窓でありレザー工業の会社で技師長を務める久村 清太が、ビスコース法のレーヨン製造に国内で初めて成功した。主流となりつつあったレーヨンの製造法、ビスコース法が海外企業の特許権に守られ、日本は自主的に研究を進めなければならないという苦境の中での成功であった。さらに、二人の研究に対し、当時我が国でも破竹の勢いを見せていた大企業、鈴木商店が出資を行い、工業化を推進する。1915年、鈴木商店の子会社である東工業が、米沢人造絹糸製造所を設置し、1918年、これが帝国人造絹糸として独立した。帝人の設立である。
大学の研究室から生まれた研究が、企業の出資を受けながら産業化への道をたどり、ついには、独立して会社を興した、という経緯は注目に値する。これは、今でいう産学連携の先駆けといえよう。

「だけじゃない。テイジン」というCMがよく知られるように、同社は現在、総合化学メーカーとして幅広く事業を行っている。
1956年に当時の最先端繊維であるポリエステルへの事業参入を決め、1958年から生産を開始、この成功により、合成繊維メーカーへの転身を果たしてから、さらに事業の拡大を続け、医薬事業やIT事業へも進出した。現在は、「高機能素材」「ヘルスケア」「IT」を事業領域として、創業時から引き続き、未来の社会に必要とされる新しい製品やサービスの提供を目指している。
特に、炭素繊維およびアラミド繊維は世界的にも高く評価される高機能製品を生産している。炭素繊維の世界シェアは日本の企業3社が世界シェアの7割を占めるが、3社のうちの1社が同社であり、特に、耐熱性・耐炎性に特徴のあるテナックスⓇおよびパイロメックスⓇが航空機や自動車の素材として供給されている。


ライター:Hiromi Jitsukata
2016.11.07 執筆
http://www.teijin.co.jp/
(帝人株式会社)
http://www.teijin.co.jp/products/resin/products/teonex/
(テオネックス®
ポリエチレンナフタレート樹脂(PEN樹脂))