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物質・材料研究機構(NIMS)&ロールスロイス共同研究 ニッケル基超合金


概要

1917年の本多光太郎によるKS鋼発明以来、日本の冶金学分野は、その高度な学問研究と良質な物質材料を製造する技術とを、世界に広く知られるようになった。その研究開発力及び製造手法のクオリティの高さは、一般鋼はもとより特殊鋼まで広く対応しており、他の追随を許さないレベルとなっている。近年は特に、超合金分野において、著しい発明発見がなされている。

今回紹介するニッケル基超合金とは、およそ1000℃以上の超高熱環境下でも酸化や腐食等に耐えられる超高温材料の1種である。超高温材料は、例えば、ジェット機やロケットのエンジン部分等に使用される。
金属材料は様々存在するが、超高温環境下において、耐酸化・耐食性と強度の両方で最もバランスの取れている金属はニッケルである。ただし、純金属のままでは耐熱性に乏しいため、長年、他の元素と合金を造る研究が各所で進められてきた。

独立行政法人物質・材料研究機構(NIMS)は1956年の創立当初から、航空機関連の構造材料の性能を向上させるための研究開発に取り組んできた。ニッケル基超合金の研究には1975年から取り組み始めた。
独自研究に加え、国内重工メーカー等と協力した結果、2003年、当時世界最高の耐熱温度1100℃のニッケル基超合金の製作に成功した。

2003年当時、NIMSがこの成果を公表した際、海外から非常に注目され、英ロールスロイス社から共同研究を持ちかけられる経緯となった。
かくしてNIMSとロールスロイス社は協力して研究を始め、現在も、耐熱温度1150℃の目標のみならず、クリープ・引張り・疲労・耐酸化性・耐高温腐食性等、多岐な観点に渡ってよりジェット機エンジンに使用するに相応しいニッケル基超合金の開発を目指し、研究が続けてられている。

この共同研究の結果、開発された1150℃の耐熱性を持つ新ニッケル基超合金が、将来、ジェット機エンジンのタービンブレードに採用となれば、ジェット機の燃費を20%も向上することが期待されている。


(ライター:Eriko Kinashi) 2011.03.28 執筆

http://www.nims.go.jp/
( 立行政法人物質・材料研究機構 )