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浜松ホトニクス・光電子増倍管


概要

浜松ホトニクス オフィシャルサイト
光電子増倍管 製品紹介ページ

浜松ホトニクスは1953年に浜松テレビ株式会社として創業した。光工学に特化した医学・情報・生理学まで幅広く手がける研究開発型企業である。 主たる製品としては、半導体レーザー・フォトダイオード・光電子増倍管・分析用光源などがある。特に今回取り上げる光電子増倍管の製造・販売業界では世界シェアの90%を握る、寡占企業である。

ノーベル賞受賞を支えるHamamatsuの光電子増倍管
同社が販売する光センサ関連の製品の中でも、光電子増倍管は特に際立った高感度を有し、 さらに高速時間応答特性など数々の優れた特性を備えている。同製品は多くの最先端研究施設に採用されている。代表的な施設としてはカミオカンデ及びスーパーカミオカンデが挙げられる。
この施設に所属する中でも最も偉大な研究者であり、施設の創立者でもある小柴昌俊教授が、2002年にノーベル物理学賞を受賞した。同製品はチェレンコフ放射を観測することにより、小柴教授の研究の中でも最大の功績であるニュートリノの検出に貢献したとして、一躍世界中から脚光を浴びた。
2015年には小柴教授の門下生である梶田隆章博士がニュートリノに質量があることを発見し、ノーベル物理学賞を受賞した。梶田博士もまた、スーパーカミオカンデにおける観測から、偉業を成し遂げたのである。

2013年、ヒッグス粒子を予言したピーター・ヒッグス博士がノーベル物理学賞を授与された時も、同社の技術は影で氏の受賞を支えていた。氏は1964年にヒッグス粒子の存在を予言していたが、実際に実証されたとされるのは、2011年から2013年初頭にかけて、スイスにあるCERNのLHCが「新たな粒子」を捉え、その粒子がかなりの確率でヒッグス粒子であることが示されたからである。(仮にこの粒子がヒッグス粒子でなかったとき、今回のデータが偶然に観察される確率は0.00003%でしかないと示されたのである。すなわち、偶然にこのようなことはほとんど起こり得ない=今回観察された粒子はほぼヒッグス粒子で間違いない。)
このときCERNのLHC実験で稼働した装置に、光電子増倍管とアバランシェ・フォトダイオードを納入したのは同社である。どちらも実験のコアとなるデバイスであり、ヒッグス粒子の発見および物理学の発展の瞬間を見つめるために働いてきた。
CERNへの受注が決まったのは、他企業で施設が求める水準の製品を作れる企業がなかったからであり、同社も納品に至るまで3年間、困難を極めながらも完成へたどりついたという。CERNの研究棟、正面玄関には、謝意を表しHamamatsuの名が刻まれたプレートが飾られている。

現代物理学の教科書を書き換え、自然の謎にせまる世紀の発見に、同社は貢献し続けている。

さらに、光電子増倍管は高精度光計測を必要とする医学・学術研究・産業等、広い分野で活躍している。具体例を挙げると、医学分野では、臨床検査装置(血液検査・生化学検査等)、核医学画像診断装置(ガンマカメラ・ポジトロンCT等)などに使用されている。


世界で貢献する光工学関連技術
他、分析分野では分光光度計・環境計測機器等の各種分析機器、学術研究分野では衛星搭載・高エネルギー物理学実験、計測分野では油田探査・放射線計測、光学分野ではレーザスキャニング共焦点顕微鏡(LSCM)、半導体分野ではウェーハ表面検査・プラズマプロセスモニタ・膜厚計測等に使用されている。その他にも郵便物選別や農作物選別等に至るまで使用されている。

同社は光電子増倍管の他にも、情報通信・健康・工業など多岐に渡り、光関連の研究に精力的に取り組んでいる。中でもホログラフィ技術と光反射型拡散光トモグラフィ、ステルスダイジング技術は、特筆すべき新技術である。

ホログラフィ技術とは、光の振幅と位相の分布を記録・再生する技術である。現在、3次元での動画表示技術・3次元での静止表示画に可能性を広げている。更に将来的にはインターフェースによる大容量の実現が期待されている。

反射型拡散光トモグラフィは、人体への害が少ない近赤外光で人体を拘束することなく計測できる装置である。自然な状態での活動、光マンモグラフィとして応用が最も期待されている。

ステルスダイジング技術とは、シリコンウェーハの内部にレーザーを照射して、任意の位置で階質層を形成させ、テープエキスパンドなどの外部応力を加えることにより、ウェーハ表面に亀裂を成長させて、チップを小片化させるカッティング技術である。

上記のように、同社は最先端の技術を有する世界屈指の光工学関連企業である。
自社大学まで設立しており、グローバル視点のみならず、幅広いスパンでの将来を見越す力も有している日本を代表する優良企業である。


ライター:Eriko Kinashi
2011.05.06 執筆
ライター:Hiromi Jitsukata
2013.10.25、2015.10.8 加筆
http://jp.hamamatsu.com/index.html
( 浜松ホトニクス株式会社 )