HOME > 製品 (機械 - 工作機械) > 牧野フライス製作所・5軸制御マシニングセンタT2

Products (機械 - 工作機械)

牧野フライス製作所・5軸制御マシニングセンタT2


概要

*インターモールド2012での、牧野フライス実演展示ムービーがご覧になれます。


また、トップページ右上の動画コーナーの、「製品」からもご覧いただけます。

今回紹介するマシニングセンタは、製造物に合わせてミーリング・ドリリング・中グリ・タッピングなどの多岐にわたる加工を1台で施すことができる、万能な工作機械である。

1965年に米国にて発明されて以来、マシニングセンタは、半導体製造・自動車製造・航空機製造等、広く金属加工産業にて活躍している。現在、全世界において、工作機械の中でももっとも生産台数の多い機械である。

日本の工作機械製造業界の中でも先端技術を持つ会社である牧野フライス製作所は、2010年末、難削材の代表であるチタンを削るマシニングセンタの新製品を発売した。

強度が高く、軽量で、耐食性・耐熱性に優れたチタンは、現在の航空宇宙産業において、非常に重要なレアメタルの1つである。しかしチタンは、その特徴故に、加工が大変難しい金属でもある。強度が強い金属は削りにくい。また、熱伝導率がステンレスの1/2と極めて悪いため、切削時に発生する熱が発散せず、工具先端に籠ってしまう。前記の理由により、チタン及びチタン合金を削る工具の切削能力は短時間で低下しやすく、よって工具寿命は短くなりがちだ。

牧野フライス製作所は、主軸先端部に設置された変異センサで機械の刃先にかかる切削力を検知し、機械に対して大きな負担が生じている時は、送り速度を自動的に下げるシステムを開発した。また、200L/min(7MPa)のクーラントを刃先近くに設置する事により、機械の先端に籠った高熱を迅速に冷却できるようになった。加えて、高熱になったチタン合金切りこの除去速度をより速くした。これらの新機能を搭載した事で、最新製品、5軸制御マシニングセンタT2は、従来製品よりも工具寿命が4倍に延びた。

また、工作機械の永遠の課題である加工中の振動対策面においては、機械の加工力と逆位相の力をサーボシステムで発生させ、振動を打ち消す「アクティブダンプニングシステム」を、各直動軸と回転軸に搭載した。

本製品は、機械寿命・振動等、チタン合金加工における共通課題を克服したに留まらず、最大値1,500Nm・最低値1,000Nmまで増強した最大主軸トルクを搭載し、マシニングセンタにおいて最も重要な能力である切削能力を従来製品の4倍に高めた。

本製品は、従来に比べて総じて性能が高くなっただけでなく、使いやすさも向上した。機械全体をスプラッシュガードで囲んで外気から遮断し、機械温度コントローラが、スプラッシュガード内の機械本体全体の温度を一定に保つ、「恒温チャンバ」の仕組みを搭載。機械単体を恒温室化するため、工場全体を空調する設備及びそれにかかるエネルギーは不要となった。

この5軸制御マシニングセンタT2を研究開発した牧野フライス製作所が製作している各機種は、金型制作をもっとも得意としている。同社は特に高精度加工のマシニングセンタと放電加工機の制作に重点を置いている。中でも、5軸制御マシニングセンタ製造分野については、業界に先駆けて製品化に踏み切った先駆者である。

同社は、1937年創業時から米国メーカーを買収する程にまで海外進出を果たした現在も、一貫して、拡大路線ではなく、得意技術を極める方針で堅実に事業展開を行っている。汎用機制作に手を出さず、ひたすら高精度加工機にこだわる。

そのこだわりは、機械のシステムにまで及んでいる。5軸制御マシニングセンタT2に限らず、牧野フライス製作所製造の各機種に対応しているCAD/CAMシステムは、ほとんど同社オリジナルのものである。「MAKINO CAD/CAM Software」と呼ばれる切削加工及び放電加工用のシステムは、単体でも販売されている。

安全性を強く問われる航空宇宙産業においては、同社のような匠の存在が必要不可欠である。

航空宇宙産業は、今後より広く深く展開していく事が期待される分野だ。牧野フライス製作所の高品質な工作機械は、ますます重要な役割を、多く任されるようになるだろう。

ライター:Eriko Kinashi
2011.03.23 執筆
http://www.makino.co.jp/
(株式会社牧野フライス製作所)
スペック
移動量(X×Y×Z) 2,000×2,000×1,800 mm
移動量 A軸 ±110°・B軸 連続回転(360°)
パレット作業面の大きさ 1,000×1,250 mm
主軸回転速度 20~4,000 min-1
主軸トルク 1,500/1,000 N・m (25%ED(S6 2 分)/連続)
早送り速度 20,000 mm/min (X, Y, Z) 3,600 deg/min (A) 2,160 deg/min (B)
切削送り速度 1~16,000 mm/min (X, Y, Z) 1~3,600 deg/min (A) 1~2,160 deg/min (B)
国内定価 1億7600万円