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Products (宇宙工学)

人工衛星・惑星探査機


概要

学術的・商業的場面において宇宙開発が進むにつれ、人工衛星は大きな役割を果たすようになった。日本も多くの人工衛星を打ち上げ、世界に大きく貢献している。

「こうのとり」

「こうのとり」は、宇宙ステーション補給機H-II Transfer Vehicle(略称: HTV)の愛称であり、幸せや赤ちゃんを運ぶこうのとりのように、国際宇宙ステーション(ISS)で使う重要物資を地球から輸送する無人補給機である。HTVは高度約400キロを飛行する宇宙ステーションまで自動接近・ドッキングし、宇宙ステーションの交換部品・宇宙飛行士の日常品・実験装置などを補給してきた。HTVの頭脳である電気モジュールの開発は三菱電機が担当している。「こうのとり」は、これまで2009年の技術実証機(こうのとり1号と呼ばれることもある)にはじまり、2011年(2号)、2012年(3号)、2013年(4号)、2015年(5号)と連続して打ち上げおよびドッキングに成功している。2015年時点で、現行型のHTV打ち上げは2019年度の9号機までとしている。2021年度以降は、改良してコストを削減した新型のHTV-X(仮)の打ち上げを目指している。


「ひまわり」
人工衛星「ひまわり」は、航空ミッションと気象ミッションの機能を兼ね備える複合衛星である。
航空ミッションの場面では、アジア太平洋地域における通信・広報・監視・航空及び交通管理等の情報を転送してくる次世代航空保安システムを搭載している。気象ミッションに関しては、気象イメージャによる観測と気象データの収集・配信を行っている。国際競争入札においても、世界を相手に十分対抗できる機種である。

日本国内の各天気予報における雲画像は、2015年7月7日から、ひまわり8号のものが採用されている。ひまわり8号は、世界にさきがけて次世代気象観測センサー(可視赤外放射計)を搭載。これにより、解像度の向上、チャンネル数の増加などを実現し、静止気象衛星としては世界初のカラー撮影も可能にしている。これまでは雲と区別がつきにくかった黄砂や噴煙などの観測にも有用とされる。観測映像の撮影間隔も、旧来の7号の30分間隔から10分間隔へ、さらに日本付近では2分半間隔へと短縮された。
これから打ち上げられる海外の気象衛星も、このひまわり8号と同じ次世代型となるが、先陣を切って運用が開始されたひまわり8号は、世界からの注目を集めている。



出典:気象庁ホームページ 
「HIMAWARI-8」
http://www.data.jma.go.jp/mscweb/ja/operation8/status/mtsat.html より)

「はやぶさ」・「はやぶさ2」
「はやぶさ」は、2003年5月9日13時29分25秒(日本標準時)に宇宙科学研究所(ISAS)が打ち上げた小惑星探査機である。世界初の「小惑星サンプルリターン」に挑んだ。

同機は、2005年にアポロ群の小惑星(25143)イトカワに到達、サンプル収集を遂げた。その後、幾多のトラブルに見舞われたが、日本の最高技術により乗り切り、2010年6月13日22時51分に60億kmの飛行を終えて、無事、オーストラリアのウーメラに降下した。
サンプル収集にあたったカプセル容器内に付着した物質は、大半がイトカワ由来の岩石質微粒子で占められていた。この収集物に関しては、現在、各研究機関が研究に着手している。
2014年12月3日には、はやぶさ2を搭載した国産ロケットH2A26号機が、鹿児島の種子島宇宙センターから打ち上げられた。はやぶさ2は、地球から約3億キロ離れた、地球と火星の間にある小惑星「1999JU3」を目指す。


日本は世界でも最先端の人工衛星や探査機の製造・発射・操作技術を有しており、通信・放送・気象観測等の場面へ大きく貢献している。今後は宇宙観測において、宇宙創成・ダークマター・ダークエナジーに関する研究にも何らかの役目を果たすことが期待されている。


(ライター:Eriko Kinashi, Hiromi Jitsukata) 2011.05.11 執筆、2015.07.08、2015.09.29加筆
http://www.jaxa.jp
(JAXA)