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ワコール・女性用下着


概要

ワコールが目指すものは、その時代に必要とされる以上の「新しい価値」である。現代の日本ではごく当たり前となった数々の女性用下着の多くは、ワコールのたゆまぬ追求によって育まれてきたものであるといえよう。
  • それまでの下着とは全く発想が異なる、「女性を美しく見せる」ためのブラジャー。
  • 日本の国際特許第一号となったガードル。
  • 船舶設計技術をもとにした、立体製図によって三次元的に作られた高機能下着。
  • 世界に誇る縫製技術を集結して作り上げられた高品質のラグジュアリーランジェリー。
長年にわたって追求され、培われてきたワコールの高い技術と高品質の製品は、今では世界中の下着市場において信頼を得ようとしている。

「女性を美しくしたい」創業者塚本幸一の願い
1949年、女性の装身具や雑貨の卸と販売を手がけ始めた和江商事の創業者、塚本幸一はアメリカの女性が洋服の内側に身につける「ブラパット」というものを知る。そして自社製ブラジャーの開発に挑み、翌1950年に完成させた。また、この年、世界一の女性下着メーカーを目指して「十年一節50年計画」を示す。この指針では、第五節に当たる1990年代には、ワコールが世界企業として世界の市場で活躍することを示している。戦後間もない日本で、設立したばかりの会社が、既に世界に目をむけて壮大な一歩を踏み出していたのである。
創業から60年余りたった現在、ワコールの事業は世界39カ国で展開している。

世界に誇る製品を支えるもの
ワコールでは、1964年に「製品研究部」を設立し、人間工学の知識に基づいて日本人女性の体形を計測・分析を始めた。現在は「人間科学研究所」へと発展し、体の形や外観の美しさだけでなく、肌ざわりや着け心地といった感覚の測定など、多面的な観点で「女性のからだ」について研究を行っている。10代後半から60代の幅広い年齢層の女性を対象に、毎年500人から1,000人のデータをとり、40年以上の間に蓄積されたデータは40,000件以上に及ぶ。科学的事実に裏打ちされた商品開発によって、流行や経済状況に左右されない、女性が本当に必要とする商品を作り続けていくことを可能にしているのだ。

計測にはさまざまな機器や尺度が用いられており、これらもワコールを支える重要な技術である。設立当初は、学校の身体測定で用いられる計測方法で約160か所を測定していた。この方法は地道ながら、現在も継続され、データの蓄積に大きく貢献している。1990年代には3次元計測装置を導入し、人体の立体構造を3次元情報としてコンピューターの中に表示・蓄積して集められるようになった。

他にも、大阪大学と共同開発した2次元シルエット装置で人体の輪郭線をデータとして集めており、この装置によって各年代の女性の平均的なシルエットが示され、店頭でも活用されている。また、地図上で山の起伏を等高線で表すように、身体の凹凸を二次元上に表現するモアレ縞計測という計測もワコールの製品を支える特徴的な技術である。
そして、人間化学研究所でのデータをもとに、世代や体形、目的に合わせたブランド展開が行われ、現在では女性下着以外のものも含めると60以上のブランドが、多様な女性たちのニーズに応えようとしている。

また、同様な人間科学研究所は、中国やアメリカにも設立され、現地の新たなデータを蓄積している。例えばアメリカの研究所ワコールスポーツサイエンス株式会社では35,000人以上の調査から関節や筋肉のメカニズムを研究し、その成果は世界中で50以上の特許をとっている。
基礎研究を重視し、客観的なデータに基づいてものづくりを行う、これらもすべて「新しい価値」を生み出し続けるワコールの姿勢の表れなのである。

次の時代へ向けて
現在ワコールは、その事業領域を<ボディデザイニングビジネス>と定め次の時代に進もうとしている。
ここでいう<ボディ>とは、「からだ」と「こころ」の総称としての「ボディ」であり、この<ボディ>に対して、「美」「快適」「健康」という価値を提供することを目指している。これらの理念は、従来の下着に留まらず、スポーツ時のコンディションを整える高機能ウェアブランド「CW‐X」であり、歩き方を変えるインナーウェアシリーズ「フィットネスウォーカー」「クロスウォーカー®」などの開発に表れている。

「クロスウォーカー®」は、2005年春に発売以来2009年末で累計約1,380万枚を売り上げ、進化版である「クロスウォーカーシャキッと®」は2009年の発売から5カ月で約37万枚を売り上げた。トップスの「シャキッと®トップス」は31名を対象としたモニターテストで約7割に姿勢の改善が見られたという。またイチロー選手(メジャーリーガー)や杉山愛選手(プロテニスプレーヤー)もパートナーとしてその効果を実証している。スポーツウェアの市場での躍進も期待される。

世界のアパレル・繊維産業についてオンライン情報発信をする企業の分析によると、女性たちは5枚のブラジャーを持っていても平均して2枚のブラジャーを、なお毎年買い続けることが分かっている。また、日本のマーケティング企業の2008年の調査では、中国の約6億人の女性人口の内ブラジャーをつけているのは2億人であり、残りの4億人はまだブラジャーを身につける習慣がない、あるいはこれから身につける、ということを考えると、単純な計算で中国のブラジャーの需要は日本の数倍である、ということが報告されている。
このように世界先進国の女性用下着市場では需要が拡大している一方で競争が激しくなっている。

かつて下着といえば、衣服の内側に身につけるものゆえに、デザイン性よりも補正機能や着け心地など、機能性が重視されていた。
しかし、現在ではデザインやイメージを追求し、華やか、個性的あるいは驚くほど派手なデザインの下着も市場を席巻している。日本ではワコールに次ぐシェア2位に迫るトリンプインターナショナル、アメリカの大手下着メーカーVictoria’s Secretや、フランスやイタリアで人気のChantelleなどは、機能性に加え、官能的、あるいは高級感あふれるデザインで世界の市場で高い人気を得ている。
しかし、積み重ねられた客観的なデータ、人体科学の研究成果に基づいた製品開発、商品化を可能にするトップレベルの生産技術によって、ワコールはこのような市場においてもなお新しい価値を生み出し、さらに大いなる発展を遂げるだろう。

(ライター:Hiromi Jitsukata)
2011.07.14 執筆
http://www.wacoalholdings.jp/index.html
( 株式会社ワコールホールディングス )