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スーパーコンピュータ「京」・理化学研究所


概要

スーパーコンピュータとは
スーパーコンピュータとは、広義には、汎用コンピュータよりも演算速度が遥かに速いコンピュータの事を言う。何をもって『スーパーコンピュータ』と呼ぶのか、定義は時代によって異なるが、現在は一般的に使用されるサーバ機よりも浮動小数点演算が1,000倍以上速いコンピュータの事を指す。
今、スーパーコンピュータは主に、科学技術分野における膨大かつ複雑な演算の高速処理の目的で使用される。学問の世界から産業界まで、広範囲において利用されている。

より膨大かつ複雑な演算計算を、他の何よりも早く処理する最速のスーパーコンピュータを開発しようと、世界中がしのぎを削っている。中でも日本とアメリカが中心となって先端研究を行っている。日本は、世界的に誇れる多数の高性能なスーパーコンピュータを開発してきた。


元々アメリカが主導していたスーパーコンピュータ開発に、日本が乗り出したのは1970年代の事である。当時、富士通・日立・NECがスーパーコンピュータ開発に本格的に参加した。この3社は、現在の日本におけるスーパーコンピュータの代表メーカーでもある。

歴史的に、日本において、スーパーコンピュータの開発は、国を挙げて取り組むべき研究だと位置づけられてきた。そのため前記国内企業3社は、東京工業大学や東京大学、海洋研究開発機構など、国立大学・政府所轄の研究機関と積極的に共同研究を行っている。スーパーコンピュータの本体設置場所もまた、国立大学や政府所轄の研究機関である事がほとんどだ。

世界最速級スーパーコンピュータ
2006年に文部科学省主導で開始された「次世代スーパーコンピュータ・プロジェクト」事業をきっかけとして、理化学研究所はスーパーコンピュータの開発に関わるようになった。富士通とタッグを組み、世界最速のスーパーコンピュータ開発を目指す。

両者の努力の成果あって、2011年現在、日本製スーパーコンピュータの中で最も高性能な機械は、理化学研究所と富士通とが共同開発した「京」である。現在では同研究所の理事長野依良治の他、平尾公彦、渡辺貞らが主導して研究開発を進めている。

日本一であるばかりでなく、世界一も達成した。「京」は、2011年6月、第26回国際スーパーコンピューティング会議ISC'11(ドイツ・ハンブルク開催)にて公開された第37回TOP500リストにおいて、第1位を獲得したのだ。日本のスーパーコンピュータがこのランキングにおいて第1位を獲得するのは、2004年6月の「地球シュミレータ」(海洋研究開発機構&NEC共同開発)以来である。

また、2011年11月に発表された第38回TOP500リストにおいては、前回の自身の記録を大幅に更新して再び世界1位を獲得した。

現在も、各国がしのぎをけずるスーパーコンピューターの世界において、「京」はトップクラスの能力をもつコンピューターとして君臨し続けている。

通常、スーパーコンピュータの性能を表す目安として、そのスーパーコンピュータが1秒間に何回の浮動小数点数演算ができるのかを公表する。この国家プロジェクトは、毎秒1京(1兆の1万倍)回の演算速度を持つスーパーコンピュータの製造を目指して「京」と名付けられた。プロジェクト名がそのまま、開発・製造されたスーパーコンピュータの名称になっている。

2011年6月現在、「京」の演算処理速度は毎秒8162兆回まで達した。この時点で、前年度ランキング第1位を取得した中国製スーパーコンピュータ「天河1号A」の計算速度を、約3.18倍上回っている。
2011年11月現在、「京」はその名の通り目標性能10ペタフロップス(毎秒1京回の演算処理速度)を達成した。同月に開催された国際会議ISC’11(アメリカ・シアトル)においては、毎秒1京510兆回の演算処理速度が認定された。
2012年6月の完成、同年11月の共同利用開始に向けて、「京」は更なる開発が進められた。

この高性能スーパーコンピュータ「京」は、国家の基幹技術として、日本の科学分野において幅広く活用されることは間違いない。
日本の学術・技術の進歩への大いなる貢献が期待されている。


商用利用版スーパーコンピュータ「PRIMEHPC FX10」
2011年11月、富士通は東京大学から新スーパーコンピュータシステムを納入金額約50億円で受注した。
受注をかけた東京大学情報基盤センターは1965年に発足した全国共同利用施設の大型計算機センターだ。学内外から1500名以上が利用しており、多くは世界第一線で活躍する学者・研究者達である。彼らは「京」の利用者でもある場合が多く、今回の受注において、同大学は「京」との互換性を持つよう希望している。

そのため「PRIMEHPC FX10」に搭載されるアプリケーションソフトは「京」にも容易に転用できる仕様になる。「PRIMEHPC FX10」は、理論演算性能が「京」の約10分の1(1.13ペタフロップス)の「京」の商用版として制作される見込みだ。2012年4月に稼働を開始し、日本国内の他大学でも導入が開始されている。


ライター:Eriko Kinashi
2011.06.21 執筆、2011.11.16 追記、2012.07.06 追記、2013.06.21 追記
http://www.nsc.riken.jp/index_j.html
( 理化学研究所 次世代スーパーコンピュータ開発実施本部 *2012年6月で終了)
http://www.aics.riken.jp/
( 独立行政法人理化学研究所 計算科学研究機構(RIKEN AICS) )