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クボタ・パワクロ仕様トラクター


概要

クボタ~世界の食糧問題解決に挑む

2011年10月、世界の人口はついに70億人を超えた。
世界銀行によれば飢餓人口は9億2500万で、国連食糧農業機関は今後世界の食糧生産を70%増やさなくてはならないと指摘している。食糧不足問題は大きな問題として人類の前に立ちはだかっている。
 


日本に目を転じれば、世界最大の農産物輸入超過額を抱えており、2008年では27億ドルの輸出額に対し輸入額は567億ドル(約5兆円)である。日本の農産業は、世界の食糧問題に対し、他国に頼らない自国での生産とともに、海外市場での競争に勝ち抜く農作物の生産も求められていることがわかるだろう。
 


今回紹介するクボタは、高性能の農業機械と、農営方法を供給し、日本だけでなく世界の農業・食糧問題に貢献しようとする企業である。1960年代に日本で初めて水田用の乗用トラクター製品化に成功して以来、研究と開発を重ね、世界のトラクターメーカーとして農業機械市場をリードする存在までになった。現在、クボタは農業機械の売り上げ高で世界でも五指に入り、世界各国で高い評価を得ている。特定の農業機械で世界市場での地位を占める企業に対し、クボタはトラクター、コンバイン、また干し草作りなどに関連する酪農畜産関係農具を中心に、芝刈り機などそのほかの大小農業機械の多くが世界市場で評価されており、マルチな世界展開力を示している農機総合企業である。これまでは欧米を中心に農業分野だけでなく家庭用農業機の生産で海外での売り上げを伸ばしていたが、ここ数年は人口の急増に伴い効率化が求められるアジアの稲作農業に目をつけ、合弁会社や現地法人を設立し、各国の農業政策に貢献している。一例を挙げればタイではトラクターの7割をクボタと現地会社の合弁企業が担っている。
 


また、同社生産のダクタイル鉄管も世界に並ぶ鉄管はないといわれる高評価であり、漏水率の低さで世界一を誇る日本の上水道網に貢献している。中国やインドなど急激なインフラ整備が求められている新興国に新たな市場を得ており、世界の水環境整備においても大きな役割を果たしている企業である。

クボタのパワクロ~「おむすび型」が象徴的なトラクター

  

この記事では、クボタが「革命」と称して世に送り出した最新構造をもつトラクターを紹介する。


土壌を耕す、また、牧草を刈り取る「モーア」や干し草や藁を圧縮する「ベーラー」など、アタッチメントと呼ばれる各種の作業機をけん引する、それがトラクターの働きである。トラクターには四輪を備えたものと、キャタピラーを備えたタイプがあるが、今回紹介するクボタの「パワクロ」は、前部にタイヤ、後部にキャタピラーを併設したトラクターである。このような構造にすることで、四輪型トラクターのパワーと、キャタピラー型トラクターの繊細さを兼ね備えたトラクターとなっている。このような併設型のトラクターはパワクロと呼ばれるが、クボタのパワクロの特徴的な点は、キャタピラー部分が従来のものと異なり「おむすび型」すなわち丸みのある三角形をしている点である。

 この三角型のほぼ中央に、車軸とは別の「動揺支点」を設け、ここを支点にしてキャタピラーの下半分が独自の動きができるようにしている。これによって、地面に対するグリップ力が高まり、傾斜地や凹凸地などでも機体の上下動が少なく、安定した作業が行えるようになっている。また、傾斜地を登る力も向上し、段差や障害物もこれまでのものより簡単に乗り越えられるようになった。

もともと、キャタピラー型のトラクターは車輪型に比べ接地面の圧力が小さく、耕地を傷めにくい、という利点がある。クボタのパワクロは、これまでのキャタピラー型トラクターの、1/3の踏圧を実現しており、土中の微生物や作物の根に優しい耕地が作れる。また、耕地にキャタピラー跡を残さないため、その次の作業を行う農機の車輪が取られることもない。さらに、このような低接地圧により車体の沈み込みが少なく、ぬかるんだ土地、雨上がりや雪解けの上も走破するため、天候に左右されにくい作業が行える。


また、タイヤと併設していることで、強力なけん引性を備えることが出来、負荷重の高い作業機もパワフルにけん引する。けん引される作業機にハンドルを取られにくい構造も実現し、直進性にも優れる。この直進性により、まっすぐなあぜ作りでも農家から高い評価を得ているのである。また、キャタピラー型では難しい高速性も実現しており、最高速度は農業用自動車の平均15km/hに対し、21km/hにおよぶ。

もうひとつ忘れてはならないクボタのトラクターの特徴が「倍速ターン」である。トラクターは車体の切り返しが大きく土を傷めることが多かったため、小回りのきくとトラクターが望まれていた。この、「倍速ターン」性能によって、トラクターのハンドルを切ると前輪が後輪の約2倍速で回転する。つまり後輪を軸に前輪だけが向きを変えるような動きが可能になっており、必要以上に耕地を傷めずに小旋回できるのである。

現在日本では農業人口の減少に伴い、より効率のよい農作業に対する期待が高い。大型機械は効率よく重労働も行える一方で、その重量により農地をあらしてしまうことが農家の悩みであった。このニーズにこたえるため、クボタのパワクロは、日本中の農家で実際に作業をしながら試作品をテストし、現場の声を速やかに反映させることで開発してきた、いわば農家の希望が具現化されたものである。「クボタのパワクロがもう手放せない」、これが、完成品を使う農家の声である。「農業=重労働」のイメージを覆す魅力的な農機は、若者の農業従事を促す契機にもなり得るだろう。


ライター:Hiromi Jitsukata

2011.11.16 執筆

http://www.kubota.co.jp/
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