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ナミテイ株式会社・ケーブル保護材用途異型線、冷間圧造用異型線


概要

一般に金属線や金属棒といったとき、われわれは断面が丸いものと思いがちだが、世にあふれる工業製品に使われる金属線の断面は、実はさまざまな形をしている。用途によって、台形であったり、まっ平らであったり、へこみがあったり…このようにさまざまな断面をもつ金属線をまとめて「異型線」「異型棒」と呼んでいる。

その用途は様々で、家電部品、自動車部品やねじ材、ばね材といった加工組み立て製品の材料、何十kmにもおよぶ海底ケーブルの保護パイプなど、さらにアクセサリーや弦楽器の弦など多種多様な分野の製品・部品が異型線・異型棒を加工して作られている。

異型線や異型棒の生産工程は非常に精密な作業工程である。数メートルあるいはそれ以上の長さの金属線のどこを切っても全く同じ規格の断面になるように仕上げなければならない。直径数mmの材料であれば微細な傷によって折れてしまうため丁寧かつ正確なオペレーションが求められる。私たちの目にはほとんど触れない「材料」だが、異型線は、精密さや正確さを達成するために最高の材料とミクロン単位の精度を持つ技術を集結して作られたものである。

今回紹介するナミテイ株式会社は、光ファイバーケーブルを高水圧から守るための「3分割保護鉄線」の製作で当時の日本をうならせ、以降2001年までに日本が敷設した地球約4周分の15万kmの海底ケーブルすべてに異型線導入実績を持つ企業である。「3分割保護」とは、日本独自のファイバー保護構造であり、断面が扇形の鉄線3本を使ってファイバーを囲むように覆っている。こうして覆われたファイバーは、海底8000mの800気圧にびくともしない。

日本中が信頼した保護鉄線製造の技術は、現在さらにあらゆる製品に応用され、特に製品加工メーカーでの材料ロスやゆがみの少なさ、工程の迅速さにつながる「冷間圧造用異型線」でも実績を伸ばしている。

光ファイバー保護鉄線、800気圧・1万kmの太平洋横断へ

ナミテイの名前が日本の製造業をうならせたのは1986年に試作品を完成させた、第3太平洋横断ケーブルに使う「保護鉄線」であった。それも、扇形の断面をもつ、継ぎ目のない全長55kmの線である。
発注された内容は非常にシビアなもので、当時見たこともない扇形の異型線、誤差は業界の常識であった1/10mmをはるかに超える5μm(5/1000mm)まで、そして納期はわずか2週間後のという指定である。

当時のナミテイは夜を徹して作業をしこの要求にこたえた。発注をした商社からは次いで3000m、6000m、1万m…と注文が届き、最終的には55kmの長さが要求された。当時の工場ではとても無理な注文であったが、完成させるためのラインを自らで設計し完成を目指した。
また、材料は鉄鋼大手の新日本製鉄に依頼、当初は怪訝な顔を示した新日鉄を動かし、研究所総動員で材料開発に協力にあたらせた。
ちなみに、このとき自社開発した、製造工程で付着する油などを洗浄するジェット式ノズルは、水切り、乾燥、塗布を含む高速洗浄装置として、現在の主力製品の一つになっている。

東大阪という、決して大きくはない町工場が集まる街の一工場がこのとき投資した金額は実に3億であった。この実績によって、これ以降日本の海底ケーブルの保護パイプはすべてナミテイが製造してきたのである。

冷間圧造用異型線~画期的なコストダウンをめざして

冷間圧造とは、円形断面の棒材を、加熱することなしに常温で一定以上の圧力を加えることで加工する方法である。切削がないので材料のロスは少なく、熱を加えないので材料の変質やゆがみが少なくて済む。約48gの材料を使っても切削加工で作ると約29gもロスが生じる部品を、冷間圧造によって20gの材料を使ってしかもロスは1gですむ、というデータもある。

ナミテイでは、この冷間圧造に使われる円形断面の材料に異型線製造技術を用いて加工を加え、完成する部品に近似した形の棒材を作っている。部品メーカーはこの棒材を使うことで、従来の円形断面の棒材を使うよりも少ない工程、少ないロス、低コストで部品を生産することができるようになるのである。
このような技術だけでなく、各種成形加工、洗浄、皮膜処理などの工程や検査を一貫して社内で行う体制も整っており、品質、納期、コストの面で顧客からナミテイが大きな信頼を得てきた。

そして現在は自動車部品の「シートベルト用特殊巻取り軸」でも大きなシェアを占め、2010年現在トヨタ車の70%にはナミテイ製の軸が使われている。
このように、ナミテイの材料を使った製品は完成品製造メーカーを通して数多く輸出されている。日本の小さな工場街・東大阪でつくられたものは、私たちの知らない間に今日も世界中へ発信されているのである。今後も世界中で高まるケーブルや工業製品部品の需要に対し、ナミテイはあくまで「日本発」を理念としながら、も世界中に商品を送り出すであろう。

ライター:Hiromi Jitsukata、2011.11.18 執筆

http://www.namitei.co.jp/
(ナミテイ株式会社)