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Products (伝統工芸)

豊岡かばん


概要

正確なパターンニング、丁寧な縫製、通常のカバンより多くのパーツを使うことでデザインや丈夫さの向上にこだわり、また、人が触れる持ち手は一つ一つヤスリをかけて手作業で仕上げる…豊岡かばんに光る職人技は、世界で名だたるフランスやイタリアのメーカーのものに引けを取らない。

現在豊岡市のかばん生産高は日本一、かばんの街にはかばんの自動販売機さえある盛況ぶりだ。かばん工業団地も設けられ、街全体がかばん産業を重視していることがわかる。

豊岡かばんの歴史は古い。19世紀後半、日本の伝統的な持ち運び用入れ物「行李」に、締結用ベルトと持ち手をつけた「行李かばん」に始まる。もともとそれ以前にも豊岡には優れた行李製造の技術があり、その伝統技術を受け継いで豊岡の新しい「行李かばん」は改良が加えられていった。
20世紀初頭には漆を塗り、錠前をつけた「新型かばん」が創案され「豊岡かばん」の名前を冠して初めて販売された。
以降、新素材の導入、電動ミシン縫製の導入などを重ね、1989年には、豊岡製のかばんが日本のかばん生産の8割を売り上げるようになった。

現在豊岡かばんと名乗ることができるのは豊岡で作られたかばんのうち、兵庫県かばん工業組合が定めた基準を満たす優れた製品のみである。
2006年には特許庁からかばんでは唯一の商標登録認定を受けている。
地域のみならず、国がその品質を保証しているのだ。

世界で愛される品質を目指して

ものづくりの長い歴史に育まれた豊岡かばんは、つねに消費者のニーズの上を行く逸品である。
上質な革に優れたなめしを施し、生み出された革の見事な風格。
ファスナー、チャック金具は高品質にこだわり堅牢さと品格を訴えるものがある。
持ち手は、手によくなじみ、がっちりと心強い握手をしているような感覚さえある。
長きにわたって持ちたくなるようなデザイン性の高さも備え、持ち続けることによってさらに愛着がわく一品である。
ビジネスバックの国内シェアも高く、国際会議の書類入れかばんとして採用されたケースもある。

もともと戦後間もなくから製作されたチェック生地のオープンケースがアメリカでも大ヒットしたという海外販売の実績もある。1970年代のオイルショックによる円高以降は、国内需要へと販売網を切り替えてきたが、いままた豊岡かばんはその技と品質で海外市場での存在感を高めようとしている。
豊岡かばんの堅牢さや機能性はヨーロッパの有名かばんメーカーにはないものである。これらの品質を必要とするところでは世界中で豊岡かばんの需要が今後高まるであろう。

ライター:Hiromi Jitsukata
2011.12.27 執筆