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大平技研・光学式プラネタリウム投影機MEGASTAR(メガスター)シリーズ


概要

大きなドーム天井に星空を映す機械がプラネタリウム投影機である。


プラネタリウム投影機には、いろいろな投映法式があるが、最もポピュラーな「光学式」は、恒星球と恒星原板からなる。
恒星原板には、小さいもので数ミクロンほどの、目には見えない穴が開いており、光源からこの穴を通った光は、恒星球のレンズを通して焦点が調整され、大きなところでは20m上のドーム天井上に映し出される。
恒星原板に明ける、この極小な穴は、球面ドーム状に正確に星を映せるように精密に位置を計算し、映す星の明るさにあわせて大きさも変えていく。そしてあける穴の数は少ないものでも数千個、最新の多いものでは数百万個の穴をあける。その加工の微細さが分かるであろう。


このような光学式プラネタリウム投影機製作技術において、日本が持つ精巧な技は世界をリードしており、プラネタリウム投影機生産世界シェアの5割は日本企業2社で占められている。
世界の最先端を行く日本のプラネタリウム市場に、その上を行く革命的なプラネタリウム投影機をもたらしたのが大平技研の「メガスター」である。


当時まだ最先端のものでも数万個の星しか投影できなかった中で、メガスターは170万個の星を映す桁違いの技術であった。11.5等級という、自然の夜空でかすかに光る人間の視力ではほとんど見分けられない星まで忠実に再現できるので、この投影機が映し出す空間はこれまでのプラネタリウムより格段に本物の夜空に近い。
特に天の川の表現方法は画期的であった。これまでのプラネタリウムでは、天の川の部分は雲のようなぼんやりした光を当てること表現していた。メガスターは肉眼では決して見ることのできない星も投影することで表現している。
この投影規模に対する、直径46cm、重さ27kgという小型サイズも画期的であった。

このメガスターを考案・製作したのは、企業や大学所属の研究員ではない。幼いころからプラネタリウムを愛し、試行錯誤で自作を繰り返していたいち勤め人である。彼の名は大平貴之という。彼はまた、個人では不可能と思われた恒星原板作成も、レーザーでフォトレジストに露光する装置を独力で開発し、写真フィルムで作成することに成功した。この開発製作力は、驚くべきことである。


新しいプラネタリウムを追求して-宇宙空間の再現を目指す

2000年にデビューしたメガスターはその後改良を重ねながら各地のイベントで公開され名を高めていった。

2003年、大平は後継機メガスターIIを開発、これを機にそれまで勤めていた企業を退社し、2005年にプラネタリウム投影機製造会社の大平技研を設立、それまでの趣味から、ビジネスとしてのプラネタリウム製作に乗り出した。
直径15mを超える大型ドームでの投影を目指して開発されたメガスターIIは各地の科学館で常設展示されるようになる。
デジタル映像も投影できる機能を搭載し、プラネタリウムに合わせて雲や夕焼け、オーロラなどの気象条件が映し出すことも可能になった機種もある。

大平技研が目指すのは、投影可能星数の増加や単なる星空の忠実な再現ではない。宇宙や天文現象のシュミレーターとして、実際に目にすることが難しい、あるいは不可能な宇宙現象を多くの人に体験してもらうことである。
その意志は投影機の技術向上はもちろん、その上演方法へのこだわりにも表れている。

例えば、MEGASTAR II 高輝度タイプは演奏会とのコラボレーションを可能にする、照明の光にも負けない高輝度タイプの投影機である。

ま た、MEGASTAR II – Cosmosは、世界で最も先進的なプラネタリウムとして、ギネスブックにも登録された。日本科学未来館の専用機として開発されたこの機種は、恒星球が ドーム球心から大きく偏芯してしまうという建物の制約をクリアし、大平技研の技術力の高さを示している。天の川の濃淡や暗黒星雲の奥行ある雰囲気まで再現 できる技術も、世界中で評価されている。また、宇宙飛行士、日本科学未来館の館長である毛利衛氏は「宇宙空間で見た星空そのものだった」と述べている。

さらに、2008年6月に発表されたSuper MEGASTAR-IIは2200万個の星を投影することができ、双眼鏡や小型天体望遠鏡を持ち込めば、疑似天体観測も可能である。これが現在世界で最も多くの投影星数をほこる投影機である。
また、デジタル映像と連動するシステム「オートジオメトリ」を搭載しており、欧米のデジタルプラネタリウム製作会社が提供する映像と連動させて上演することが可能となっている。


このような、これまでのプラネタリウムの常識を覆す投影機は、「星空」ではなく「投影機」に誰よりも魅せられた創業者・大平貴之だからこそ、生み出すことができた、といえよう。
現 在、同社は新たな市場開拓に向けて家庭用プラネタリウムを開発し、自宅で星空が楽しめる投影機「HOMESTAR」シリーズが高く評価されている。肉眼で 見えると言われる数千個の星をはるかに超える、1万個の星が投影でき、自宅に居ながら、大自然の夜空を満喫することができる投影機だ。

プラネタリウム大国日本の中でも、独創的な投影機に挑戦し続ける大平技研の投影機は、現在海外にも4館で常設されている。
大 平貴之は、プラネタリウムの中にある街、という構想を描いている。テーマパークのような感覚で、自由に出入りしながら、流れ星や星雲が常に楽しめる、そん な空間が彼の頭の中にはあるのだ。大平技研は近い将来街角に壮大な宇宙空間を提供していくであろう。それも、世界中の街角に。


ライター:Hiromi Jitsukata
2011,12,28 執筆

大平技研ホームページ

http://www.megastar.jp/
( 有限会社 大平技研 )
MEGASTAR-II cosmos
(1)恒星投影機(本体)
投影方式
32分割レンズ投影
投影恒星数
500万個
恒星データ
ヒッパルコス衛星(ESA)の 観測データに基づく星表など
再現年月範囲
AD2000±100年
主な機能
日周運動、緯度変化、 年周運動、恒星調光、 一等星着色・瞬き機能
恒星球カラー
青~緑 (光の干渉により色が変化)
サイズ
高さ70cmX幅58cm X奥行き42cm
重量
約50kg
  (2)補助投影機
惑星投影機(水星、金星、火星、木星、土星)
太陽投影機等