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Products (輸送機器 - 航空機)

本田技研工業・HondaJet


概要

オートバイ、小型汎用エンジンについて世界一のシェアを誇り、世界の大手自動車メーカーとしても名だたる実績をあげている本田技研工業、通称ホンダ。その創業者であり、優れたエンジニアであった本田宗一郎は、幼いころから「自分の手で飛行機を飛ばす」という夢を抱いていた。
1962年、彼はホンダの航空機事業への参入を宣言し、以後研究・試作を重ねてきた。
そして2003年12月に、エンジンを含めすべて自社製のビジネスジェット機HondaJetの初飛行を発表した。2006年10月にフロリダで開催された航空ショーにて、このHondaJetの受注を開始、2013年のデリバリー開始を予定しており、最新の航空機技術の結晶であるHondaの飛行機がアメリカの空を飛ぼうとしている。

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翼の上のエンジン

HondaJetの最大の特徴は、エンジンを翼の上に配置していることである。
多くの小型機はエンジンを尾翼に搭載している。また、大型機では、主翼下にエンジンを付けている。

主 翼上面に支柱を立てその上にエンジンを載せたこの形状をホンダは「OTWEM(Over-the-Wing-Engine-Mount)」と名づけ特許を取得した。この形状により、高速飛行中の造波抵抗を減らし、燃料効率を向上させている。また、胴体側に必要だったエンジン支持構造がなくなり胴体内のス ペースが30%以上も拡大した。このスペース拡大によって機体内部の燃料系統などの配管スペースにも余裕ができ、安全性向上も実現された。更に広い室内に よって乗り心地も改善している。

翼の形状も工夫されており、特に主翼の形は、「SNH-1」という、特許を取得した独自設計で作られてい る。この翼や胴体の設計は、表面を流れる気流が乱れることなく整然と動いてゆく状態をできるだけ保ち、空気抵抗を少なくする「自然掃流設計」であり、翼の最も厚くなる部分が翼の後縁に来ているところに特徴がある。また、この設計を可能にするために、滑らかな加工が施せるアルミニウム合金の削り出し加工で製 造されている。


世界でも稀有なエンジン自社開発

特筆すべきは、HondaJetが世界でもまれなエンジン・機体含めすべてが自社開発の航空機である、という点である。
世界の航空機メーカーは数十社であるが、その中でエンジンまで自社開発しているところは非常に少ない。まして自動車メーカーとなれば世界で初めてである。
ホ ンダが自社で開発したエンジンは、騒音基準と排気ガスの環境基準は、ICAO国際民間航空機機関が定めた最新の基準をクリアしている。オーバーホール間隔は5000時間と長めに設定されており、オーバーホールにかかるコストやその間に運航できないロスを削減することに成功している。
このエンジンは、現在自社の飛行機のみならず複数の機体メーカーで導入が検討されている。

現 在ビジネス目的の航空機は、米セスナ社やブラジルのエンブラエル社がトップシェアを占めている。ホンダのビジネス航空機HondaJetはこの市場に参入し、ビジネスジェット分野での世界シェア15%という数字の早期実現を目指している。機種も増やし、まずは2017年までに事業の黒字化が目標である。
日本国産の飛行機が日本国産のエンジンで世界中を飛び回る日が待ち遠しい。


ライター:Hiromi Jitsukata

http://www.honda.co.jp/jet/
(本多技研工業株式会社・HondaJet特設ページ)
定員
コックピット2人(もしくは1人)
乗客5人(もしくは6人)
計7人
最高速度
425ノット(約787km/h)*飛行試験時
最大運用高度
4万3,000フィート (約1万3,000m)*飛行試験時
航続距離
2037km *飛行試験時
エンジン
HF-120ターボファン×2基
全長
12.67m
全幅
12.2m
全高
4.1m
エンジン仕様
HF-120
構成
ファンと低圧圧縮機と低圧タービン、高圧圧縮機と高圧タービンがそれぞれシャフトによって結合される2軸式で、段の構成は次の通り。
ファン1段
低圧軸流式圧縮機2段
高圧遠心式圧縮機1段
高圧タービン1段
低圧タービン2段
離陸推力
853kgf
離陸推力時の燃料消費率(TFSC):0.49kg/hr/kgf
巡航推力
191kgf
巡航推力時の燃料消費率(TFSC):0.75kg/hr/kgf
(0.7lb/hr/lb st)
乾燥重量
178kg
バイパス比(BPR)
2.9
ファン直径
441mm
全長
1,384mm(1,118mm*センターボディを除く)