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THK株式会社・LMガイド


概要

工作機械において、ある物体が別の物体の上を直進する運動は、かつては物体同士の間に潤滑油などを用いて滑らせることで行うのが主流であった。ところがこの方法では、物体同士の間に油面ができ、隙間が生じてしまう。隙間が生じることで、加工の際にずれが生じ製品の精度が下がる。

THKが1972年に開発したLMガイドは、このような直線運動加工の精度を向上させる画期的な工作機械であった。その特徴は「直線運動のころがり化」である。
このメカニズムによって、メカトロニクス機器は高精度化・高速化・省力化など、機械性能を向上させた。最近では、液晶製造ライン・鉄道車両・福祉車両・医療用機器・高層ビルや住宅・アミューズメント機器など、私たちの身の回りで目に触れる完成品にも使用されている。


「転がり」技術の実用化に向けて


紀元前の壁画などに、人間が重量物の運搬の際、物体の下に「ころ」を入れて運んでいる様子が描かれているのを目にしたことがあるだろう。
LMガイドの原理は基本的にこの原理をより精密にしたものである。

「ころ」の原理を用いた工作技術は直線運動より先に回転運動に利用されていた。今より100年ほど前に開発されたベアリングである。他方、直線運動を利用したものは、ころがり化によって多くのメリットがあることがわかっていながら、開発、製品化が進まなかった。

ころがりという回転運動を直線運動に変えて表現するので精度を得にくいということ、一方向ではなくXYZのあらゆる方向への動きを想定しなければならないことなどが、機械のメカニズムにおける直線運動の難しさである。これに加えて、コスト・寿命の長さ・メンテナンスの容易さ・省エネなど、工作機械に求められる諸条件もクリアしなければならない。

THKは1971年の創立以来、この直線運動のころがり化の製品化に向けて独自の技術開発に努め、1972年、直線運動にころがりの利点をフルに生かした、「LMガイド」の開発に成功した。これは、世界初の快挙である。THKの「LMガイド」を導入することで、産業機械は超精密な作業が可能となり、また、半導体製造装置も、サブミクロン単位という、一般的な機械加工等における精度としては画期的な数字を実現した。

直線運動型のベアリングは現在他社メーカーでも生産されているが、「LMガイド」という名称はTHKの商標登録を取得しており、THKがこの分野でいかに先駆的であるかが分かるだろう。現在もたゆまず創造・開発に取り組み、2011年3月現在で国内759件、海外1,251件の特許(出願中も含む)を有している。そしてTHKのLMガイドはシェア(推定)国内約70%、世界でも約60%を誇っている。

ボールリテーナ入りLMガイド SPR/SPS形

ボールリテーナ入りLMガイドとは、転がり機能を果たすボールがボールリテーナによって保持され循環する構造になったものである。ボールとボールの間にリテーナが入っているので、ボール同士の相互摩擦がなくなり、ボールは常に均一に整列した状態で運動する。
また、ボール循環部とボールリテーナとの空間部(グリースポケット)に溜った潤滑剤がボールの回転によりボールとボールリテーナの接触面に巻き込まれ、ボール表面に油膜を常に形成させる。このため、油膜切れが起こりにくくなり、滑らかな転がり運動の持続性や摩耗の少なさを実現している。

2010年に新たに開発されたSPR/SPS型は、これまでのLMガイドと比較してウェービング値が1/10という高精度を誇るLMガイドである。ボールの変形量を極小化し、超高剛性も実現している。従来のものよりも「ころがり」の溝の本数が増え、ボールは小型化という精密さをクリアすることで、有効ボール数が増え、より滑らかな回転を実現した結果である。
これほどの高精度製品を開発・製造できることから、THKの技術の高さが分かるであろう。世界シェア6割という数字もうなずける。

THKの社名の由来は”Toughness”、”High Quality”、”Know-how”である。工作機械においては、精度、剛性、高速さが何よりも求められる。世界の産業をささえる工作機械の「耐久性」と「高品質性」を、積み重ねられた「ノウハウ」を活用してさらに追求・提供していく、それが今後も変わらないTHKの姿勢である。


ライター:Hiromi Jitsukata
2012.1.12 執筆

http://www.thk.com/jp/
(THK株式会社)