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TOKiエンジニアリング・金属製パッキン


概要

水道管やお弁当箱のふたにゴム製の詰め物がしてあるのを見たことがある方は多いだろう。
液体や気体が外に漏れないよう気密性を高め、密封状態を保つ役割をしているこのような詰め物をパッキンという。

私たちの身の回りはもとより、工業生産のラインでは絶対に欠かせないパッキンであり、液体や気体が密閉されている容器や配管の接合面に詰められ、中の液体などが漏れるのを防いでいる。

工業機械や缶製品全体から見れば非常に小さな「部品」だが、パッキンなしでは材料や資源を機械から機械へ移すことができない。また、接合部から漏れた中身によって甚大な被害をもたらす事故が起きることも多い。事故はいつも接合部から起きる-そんな言葉もあるくらいである。

このような重要な「部品」に革命をもたらしたといえる企業が日本の福岡にある。TOKiエンジニアリング株式会社は、従業員数が20人にも満たない小さな会社だが、彼らの作る小さな金属製パッキンが、日本のみならず世界の機械や製品において大きな役割を果たしているように、同社の存在感は決して小さなものではない。


「パッキンの革命」

「パッキンの革命」とは同社が掲げる製品の理念である。

現在世界的に流通しているパッキンはゴム製などである。しかし当たり前のように使われてきたゴム製パッキンには実は問題が多かった。
ゴムというのは目には見えない細かい孔がたくさんあいている材質である。この孔に配管を通る物質のにおいが残ったり、穴の内部で雑菌が繁殖したりするため、こまめな交換が必須であった。また、酸やアルカリなどの薬品、さらに熱に弱く劣化が激しい上、振動にも弱いため、漏れやすさは常に懸念すべきことである。

これらの問題をクリアしたのが金属製のパッキンである。

パッキンに加工された凸上の突起が、配管接続面に圧着するというものであるが、接合面を45度に保つことで、同社独自の高い精度を実現した、他社にはまねできない製品となった。そして、金属で製作されたことによるメリットは非常に多様なものであった。

配管や容器の材質と全く同じ接合部が実現できるため、現実には接合部が存在しないことと同じになるといえよう。
ゴム部ににおいが移り、その匂いがさらに別の物質に移ってしまう、ゴム部に菌が繁殖する、使用による劣化が激しい、こまめな洗浄などのメンテナンスが必要…金属製のパッキンはこれらの問題を一度にクリアした画期的な製品であった。
衛生面にすぐれ、洗浄も簡単である。ゴム製は一度洗浄しても再度使用することができなかったが、金属製は繰り返し衛生的なまま使い続けることができる。処分の際も金属であるため再利用処分が可能である。また、破損や劣化に対し高い耐性があり、熱や薬品にも強い。

初期費用こそかかるが、規格は従来のゴム製と同じであり、交換するだけで簡単に設置することができる。長期にわたってメンテンナンスフリーで使用できるためランニングコストの削減も実現している。
パッキンとして重要な気密性の高さも、幾度も試行錯誤を重ねた末にゴム製のものより優れたものを達成した。

現在、同社の金属製パッキンは大手の食品会社を中心に、食品製造機械メーカーでも部品として導入され、さらに医療機関でも人工透析装置での導入が検討されている。また、アメリカなど海外の大手メーカーからの問い合わせも多い。日本国内より海外からの注目度の方が高いくらいである。

さらに同社は金属製パッキンを主力製品として接合部の品質を高める「ノンパッキンフェレール」を製造販売している。パッキンを必要としない接合部であり、配管に溶接することで使用できる同製品も今後の飛躍が期待できる。また、世界が注目するエネルギーである水素に注目し、水素配管専用パッキン開発に着手したのは、同社が世界を舞台として活動する企業であることを示しているだろう。

世界が必要とする同社製品に対し、世界先端技術を持っている日本の需要がまだまだ小さいのは残念なことである。中小企業の製品に対する評価や判断力が鈍っているのは日本の国力低下を招いている一因ともいえよう。同社の製品が日本の企業でもさかんに導入されれば、国内産業の技術水準が再び高まっていくことにもつながるのではないか。同社はパッキンに革命をもたらすのみならず、日本の産業の再生の起爆剤ともなり得るだろう。

ライター:Hiromi Jitsukata
2012,1,16 執筆

http://www.toki-eng.com/
(TOKiエンジニアリング株式会社)