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コマツ・ブルドーザD155AX-6


概要

天を衝く超高層建築物、ダムに始まる巨大土木建造物など、文明が発達するに従い、人類の産み出す建造物は量産と巨大化を続けている。それら建設作業に欠かせないのが、少ないエネルギー量で大きな仕事をこなす土木建機である。

土木建機の研究開発が本格的に始まったのは19世紀産業革命からだ。土木建機の前身である土木器械自体は、ギリシャ時代の昔から存在したが、エネルギー効率が悪い・器械が巨大且つ重いため使いにくい、といった欠点が多々あった。産業革命以降、土木器械は蒸気という新しい動力を得た。また、必須の設備であるクローラと呼ばれる特徴的な足回りを設備した。以降、動力源が蒸気からガソリンになる等、土木建機は積極的に改良を重ね、主に現在の先進国の間で急速に市場を拡大していく。

ブルドーザは、主に整地の場面で使われる、最も一般的な土木建機の1つである。1923年、米国にて発明され、1950年代にかけて、同国で進歩・普及を遂げた。日本へは1940年代に入ってきた。当時、自家用機械製造に取り組んでいた小松製作所は、日本政府より任されて、日本製ブルドーザの研究開発に携わることになった。湿原でも稼働できる湿地ブルドーザを世界で初めて開発する等、同社は確実に成果を上げると同時に、1964年に業界第3位のシェアを達成し、業績も上げていく。

現在同社は国内1位、世界2位の、建設機械分野における圧倒的なシェアを誇る。特に主力製品であるブルドーザは、同社と米国キャタピラー社で世界市場を寡占している状態である。

今回紹介するブルドーザD155AX-6は、2006年に発売された製品である。

同製品のもっとも大きな特徴は、そのブレードの形にある。一般的に、ブルドーザのブレードは、上から見ると両端がアルファベットの「U」の字のように折り曲げられている「Uブレード」である。だが、ブルドーザD155AX-6のブレードは「Σ」型をしている。この「シグマブレード」では、従来の「Uブレード」に比べて、一度に運べる土砂の量が15%増加する。

搭載している変速機にも注目すべき特徴がある。同製品はブルドーザで初めて、自動変速ロックアップトルコンを搭載した。変速ショックのない自動変速により、最適な速度段が常に選ばれ、効率の良いドージング作業が可能となった。この変速機の改良により、同製品は、同社従来機よりも燃料消費量を10%削減できた。

もう1つ、同製品で注目すべき特徴がある。「KOMTRAX(コムトラックス)」と呼ばれる、同社独自のシステムが搭載されている点だ。「KOMTRAX」とは、小松製作所東京本社に居ながら世界中のあらゆる地域に点在する自社製品の稼働データが一目でわかる、市場のグローバル化を強力に支えるシステムである。具体的に説明すると、機械の現在位置、稼働時間、稼働状況、燃料の残量、消耗品の交換時期等の詳細情報を、建機に取り付けたGPSを始めとする各種センサー等を経由して、日本の自社サーバーへ逐次送信する。得た貴重な情報を、自社で分析する、あるいは適宜顧客や代理店へ送る事により、顧客に対して適切なアフターサポートを行える仕組みである。

一般的に、土木建機は購入価格の3倍のランニングコストがかかると言われる。つまり、製品を売るだけではなく、購入後の顧客へのアフターサポートが重要になってくるのだ。また、土木建機は発展途上国で需要が高い。建設ラッシュを通り過ぎた先進国では斜陽産業とも言われる。自国での需要が右肩下がりになるのを見越して、同社は「KOMTRAX」なるシステムを開発し、すべての建機に搭載し始めた。このシステムを搭載していれば、世界中の顧客に対して、適切なアフターサポートが可能である。

ブルドーザだけでなく、同社の製品は、どこかの地域に偏って購入されるのではなく、米、欧州、アジア・オセアニア、中近東・アフリカと世界の全域に渡って普及している。過去・現在だけでなく将来的にも、人類文明の発展に大きく貢献する事は間違いない。


ライター:Eriko Kinashi
2011.05.16 執筆
http://www.komatsu.co.jp/
(株式会社小松製作所)
スペック
定格出力 264kW
接地圧 110.0(1.12)kPa(kgf/cm2)
接地長 3,275 mm
全長 8,225 mm
全幅(本体) 2,700 mm
全高 3,395 mm
エンジン名称 SAA6D140E-5
総排気量 15,240cc

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