HOME > 製品 (輸送機器 - 自動車) > トヨタ自動車株式会社・トヨタ86

Products (輸送機器 - 自動車)

トヨタ自動車株式会社・トヨタ86


概要

1983年に発売されて以来わずか4年の販売期間を過ぎてもなお多くの人々に愛され続けたトヨタのスポーツカーがあった。人々はその車を「ハチロク」と呼んでいた。

そして2012年4月、「ハチロク」はふたたびドライバーたちの前に姿を現すこととなった。
トヨタ86の発売である。

2007年、トヨタは事実上小型スポーツカー事業から撤退していた。背景には、自動車に対する認識が、娯楽という「目的」ではなく、移動方法という「手段」に変化したという事情があった。
今回15年ぶりに発売されるトヨタ製スポーツカーは、我が国の自動車製造技術を集結させながら、かつてのハチロクの精神を受け継いで、トヨタのこだわりを随所にちりばめた新しいタイプのスポーツカーである。


技術の粋・水平対向4気筒自然吸気エンジン

この車の最大の特徴は、超低重心の水平対向エンジンに、トヨタの最新技術ともいえる、D4-Sを組み合わせて搭載したことである。水平対向のエンジン自体が世界でも採用が少ないのだが、さらにこの仕様は世界でも唯一である。

D4とは、燃料を燃焼室に直接噴射する「筒内直接噴射」と吸気ポートに噴射する従来の「ポート噴射」の2種類を、運転状況に応じて最適に制御する専用ツインインジェクターを備えた次世代の燃焼系である。トヨタが長い時間をかけて開発してきた技術の粋である。

この2.0Lエンジンは、自然吸気エンジンながら最高許容回転数は毎分7,000回転、最高出力200PSを達成、また、最軽量モデルでは6速MT車がJC08モードで13.4km/Lの燃費を実現した。
さらに、水平対向エンジンの長所である、振動の少なさ、滑らかな動きも、いかんなく発揮されている。


ドライバーの操りやすい車体の開発へ「超低重心FRパッケージ」

かつてのハチロクがそうであったように、このトヨタ86もまたFRを採用している。さらに今回は「軽量・コンパクト・低重心」をコンセプトにドライバーと車の一体化を高める技術をつぎ込んでいる。「1mmでも低いスポーツカーを」という使命を掲げ、トヨタ車では最も低いフロントシートのヒップポイント400mmを達成した。これによって、ドライバーが路面に近くなりスピードをより体感できる。

エンジンは、車体前部でキャビン方向に寄せた、いわゆる「フロントミドシップ」位置に配置されており、車両の低重心化と低慣性化を達成。車両重心高、ヨー慣性モーメントは欧州の名だたるスーパースポーツカーの領域にまで到達しているといえる。

この他にも、ルーフ中央を窪ませたパゴダルーフの採用などによる、徹底した空気抵抗低減の実現、軽量化素材の積極採用、アンダーフロアを中心に路面からの大きな入力に応える高い剛性の確保など、スポーツカーにふさわしいハンドリング実現のためにつぎ込まれた最新技術は86のいたるところに体現されている。


高次元の安全性能追求

新しいトヨタ86は、自動車社会の進展に合わせ、さらなる安全性能を保証する技術を投入している。横すべり発生時に、ブレーキとエンジン出力を自動的にコントロールして車両安定性を確保するVehicle Stability Control/VSCを搭載、スポーツモードやオフモードの切り替えスイッチもあり、ドライバーの好みや進行状況に応じて操縦性を切り替えることができる。
さらにタイヤの空転を防ぐTraction Control/TRC機能や、左右輪の回転差を抑制するLimited Slip Differential/LSD機能も搭載している。

走るための技術を集結させたスポーツカーでありながら、低燃費、高安全性にも配慮したトヨタ86は、現代にスポーツカーをもとめるユーザーの満足を、高いレベルで満たす車といえよう。


自動車という交通手段によって私たちの生活は便利に、快適になっていく。現代では、自動車は多くの人が利用できる手軽な交通手段になっている。
しかし、トヨタ86は、乗ることそのものを楽しむ自動車であることをコンセプトとして現れたスポーツカーである。
トヨタが15年という歳月を経て再びスポーツカーを復活させたのは、「自動車は移動のための単なる手段」という認識の現代社会に、自動車の楽しさを今一度気付いてほしい、という思いからであろう。

かつてハチロクを愛した世代が、今再び現代を新しい86で楽しむ。
自動車離れといわれる若者たちは、トヨタ86に魅せられ夢を託す。
トヨタが渾身の力を振り絞って技術を投入した一台が、再び自動車社会に新しい波を呼び起こすかもしれない。


ライター:Hiromi Jitsukata
2012,02,16 執筆

http://toyota.jp/86/
(トヨタ自動車株式会社・86特設ページ)
スペック
サイズ 全長 4240mm・全幅 1775mm・全高 1300mm(ルーフ高は1285mm)
車両重量 1,410~1,470kg
ホイールベース 2,570mm
トレッド フロント1,520mm 
リヤ 1,540mm
最低地上高 130mm
室内 長さ 1,615mm
幅 1,490mm
高さ 1,060mm
乗車定員 4名
トランスミッション スーパーインテリジェント6速オートマチック
または6速マニュアル(グレードによる)

続きを表示する