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日本のメタンハイドレート開発


概要

燃焼時の二酸化炭素排出量が、石油や石炭に比べおよそ半分-
地球温暖化対策として有効な新エネルギー源が、日本の近海に大量に埋まっている。
「燃える氷」とよばれるメタンハイドレートである。メタンハイドレートは、かご上になった水分子の中に、メタンガスを閉じ込めている個体の結晶である。

このメタンガスの燃焼によってエネルギーを生み出す。1㎥あたりのメタンハイドレートから、メタンガス150~170㎥が生成される。メタンガスの燃焼効率は天然ガスに比べはるかに高いため、メタンハイドレートから生み出されるエネルギーの大きさがよくわかるであろう。

メタンハイドレートは、高圧で低温の、主に海底の地層に存在する。一般に海溝に向かう陸棚斜面の地層に多く分布しており、日本列島はメタンハイドレートについては恵まれた地形であるといえる。日本周辺に、日本の天然ガス消費量約100年分に相当する量が存在していると見られているのだ。

もし、メタンハイドレートの実用化が進むということは、エネルギー資源の乏しい日本には光明である。メタンハイドレートから、実際に利用できるメタンガスを取り出す技術は非常に難しいため、この技術も輸出することができるかもしれないのだ。

メタンハイドレートの実用化

メタンハイドレートの実用化のカギを握るのは、メタンハイドレートの層からいかにしてメタンガスを取り出すか、という技術である。
メタンハイドレートは、地層の中で水とメタンガスに分解し、ガスを採取する、という手順で採取される。このプロセスが、非常に高度な技術を要するのだ。

石油や天然ガスであれば、穴を掘ることで自噴する。固体の石炭は、石炭の塊で採掘できるが、メタンハイドレートは地層の中に混在していたり、砂粒の隙間に存在していたりするため、石炭のようにそれだけを採掘することは現実的ではない。また、メタンガスだけを取り出しても高圧・低温の条件下では再び結晶の中に取り込まれてしまう。

このような性質を持っているがゆえに、メタンハイドレートからメタンガスを取り出し利用することは、コストの面で現実的ではないとされていた。

さらに石油や石炭、天然ガスといったエネルギー資源が豊富な国々では、今ある資源をいかに使うか、という点に焦点が当てられ、未来のエネルギー資源に関しては優先順位としては低くなる。

しかし、資源の乏しい日本は、他国に先駆けてメタンハイドレートの実用化を視野に入れ研究を進めてきた。メタンハイドレートの調査や研究は現在日本がほぼ独走状態である。
また、天然ガス採掘で培ってきた技術が、メタンハイドレートの存在形態によっては役立つとみられ、日本はこの分野で高いアドバンテージを誇る。


日本のメタンハイドレート開発

日本では経済産業省・環境エネルギー庁が主導となって、2001年より開発計画が進められてきた。
日本周辺海域および世界のメタンハイドレート賦存量を探査し、有望とみられるメタンハイドレート賦存海域で算出試験を実施してきた。

2002年には、「温水循環法」で、メタンハイドレート層よりメタンガスを生成、世界初の快挙となった。2008年にも、「減圧法」により連続生産に成功、生産手法としての有効性を実証。ここでもまた世界初となる偉業を達成した。
今後は、商業的産出のための技術向上と、環境リスクに対応する開発システムの確立をめざし次の開発段階へと進んでいる。

ライター:Hiromi Jitaukata
2012,02,27 執筆