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三ツ星ベルト株式会社・工業用ベルト、無段変速機用ベルトほか


概要

三ツ星ベルト株式会社は、工業ベルト製造の日本における代表的な企業である。
1919年に創業以来、工業機械に使われる伝動ベルトや搬送ベルトの製造を展開しており、現在は合成樹脂素材のベルトやその他合成樹脂素材製品も主力製品となっている。

また、近年では東南アジア向けのオートバイに採用された新製品の無段変速機用ベルト「ナロマジロ」が好評である。一般産業用ベルトも生産体制・販売体制を強化した結果アジアを中心に大幅に売り上げを伸ばした。今後海外での成長が期待できる企業である。


無段変速機用ベルト「narromadillo(ナロマジロ)」

「ナロマジロ」は、2007年に三ツ星ベルトが開発した、まったく新しい発想のベルトである。
変速機用ベルトには、主にゴム製のものと金属製のものがある。
ナルマジロは、この2素材どちらの良さも取り入れたベルトを目指して、高弾性な耐熱樹脂を用い、柔軟なゴムと組み合わせることで開発された。
樹脂とゴムの長所を組み合わせたハイブリッド素材はこれが世界初である。

素材は高いフレキシビリティを誇り、変形による動力伝導のロスを70%も減少させている。
耐久性能が飛躍的に向上した結果、従来のゴム製ベルトに比べて2倍以上の長寿命を達成しているとの報告もある。金属製ゴムのような動力伝達効率を持ちながら、潤滑油が必要ないため生産コストを抑えてもいる。
搭載車両の燃費の向上に大いに貢献しているのだ。

また、これまでのゴム製ベルトは屈曲発熱の問題があり、コンパクト化の障害になっていたが、新しい素材は自己発熱を抑える設計がされており、コンパクトに曲げても発熱しにくい。金属製の変速ベルトのデメリットでもあった重量増加もクリアした。
変速ユニットのコンパクト化は、車両搭載上の制約の大幅改善にも貢献している。
有段変速機の搭載スペースに収まることから、同じ車両を変速方式の違いでデザインを変える必要がなくなった。

特にスクーターやスノーモービルでは、ベルトの大きさが制約となって、無段変速機搭載車両と有段変速機搭載車両はそれぞれのデザインがあったが、ナロマジロを使用することで、デザインを変えることなく、効率的に生産できるようになった。

そして2009年、この「ナロマジロ」が、国内大手二輪車メーカーの海外向け新型オートバイに採用、装着されることになった。その結果は冒頭で述べたとおり、三ツ星ベルトの業績に貢献している。

素材基礎研究の重視

同社の「テクノリサーチセンター」では、ゴム・合成樹脂など素材基礎研究と高付加価値製品の開発・研究を進めている。
これまでの主力製品であるゴムやベルト製品の更なる機能・品質向上はもちろん、各産業の高度化を図る材料を多岐にわたって開発している。

例えば、独自に開発したエンジニアリングプラスチック。優れた物理的・化学的特性を示し、中でも「べスペル®」は量産されている高機能樹脂の中で最もすぐれた耐熱性と耐摩耗性を有している。連続使用温度で300℃、断続使用では480℃の耐熱性を持ち、無潤滑下でのPV限界値が一般のエンジニアリングプラスチックの20~100倍という耐摩耗性を示す。

国内で初めて「屋根用加硫ゴム系シート防水材」を上市して以来、シート防水材のパイオニアとして建築用防水材、土木用遮水材を通じて社会に貢献してきた実績も、この研究所に引き継がれている。
現在は、柔軟性と強度が最適なバランスの防水シートや、耐衝撃性・対引裂性を大幅にアップした遮水シートを主力商品として生産している。

さらに、病原性大腸菌O-157に優れた効果を発揮する抗菌・防カビ樹脂ベルトを食品製造メーカー向けに生産したり、有害な物質を排出せず環境に十分に考慮した材料を開発したりと、幅広く社会で活用される製品を目指している。

3月には省エネベルト” ULTRA e-POWER”を発売し、逼迫する電力需要に対応するベルトとして発電機や空調設備に貢献しようとしている。
同製品は、新たに採用した「ダブルコグ形状」で屈曲性を向上し、動力伝達時の曲げロスを低減した。また、新配合のクロロプレンゴムにより耐変形性が向上し、回転時のスリップによる伝達ロスも低減。これらにより、節電効果が従来品の約2倍まで向上した。

また、傘下の三ツ星ベルト技研株式会社では、生産技術の研究開発を行っている。ここで開発した設備や生産システムによって、世界に進出した現地工場でも高い水準の製品を生産し続けている。

三ツ星ベルトは、今後世界で拡大・多様化するであろう産業分野のニーズに、強力な体制と高い技術力でいち早く対応すべく、今後も努めていこうとしている。業界をリードする同社製品は、将来さらにグローバルな貢献を見せるであろう。

ライター:Hiromi Jitsukata
2012,03,01 執筆