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大学 & 研究機関

中央病院
職員数 約1400人
看護職員数 約460人
病床数 600床
外来患者数(1日平均) 約1000人
入院患者数(1日平均) 約520人
東病院
職員数 約650名
看護職員数 約290人
病床数 425床
外来患者数(1日平均) 約630人
入院患者数(1日平均) 約350人

国立研究開発法人
国立がん研究センター

Web link

歴史・特色

公式サイト


2010年現在、日本では年間死亡者数のうちのおよそ3割が、悪性新生物(がん)が原因で亡くなっています。

日本では1950年前後から、がんによる死亡率が急速に上昇し、1953年には死因の2位に、1981年には死因の1位となりました。なお、この推移は、医療技術発達に伴い、感染症等のがん以外の疾患が原因で死亡する人が少なくなったために起こった事であり、必ずしも日本におけるがん患者数が急増したためではありません。しかし、当時、日本でのがん治療および研究が世界から遅れていたのもまた事実です。

国立がん研究センターとは、日本におけるがん征圧を目的として、当時日本医師会会長を務めていた武見太郎の後援の元、政府主導で1962年に設立された、がん治療および研究を集中的に行う施設です。

国立がん研究センターは設立当初から、がんの治療と研究、そして国民に対して広くがんに関する知識を啓蒙する事の3点を大きな目標として掲げて来ました。 センター設立の立役者であった武見は、この3つの側面を担当する機関として、病院、研究所、そして運営部を創りました。武見発案による運営部は、国民への がん知識の啓蒙活動を担うだけでなく、病院と研究所とを繋ぐ役割も果たしました。運営部の存在により、病院と研究所は各々の業務に集中する事が可能となり ました。

また、センター内では、医学界内の学閥や派閥に捕らわれることなく、純粋にがんの治療と研究とに邁進してほしいとの武見の意向から、初代総長には当時、医学界内で中立的立場にいた田宮猛雄が選ばれました。

病院に関しては、初代院長に久留勝を、研究所に関しては、初代センター長に中原和郎を据えました。

病院設立の際には、武見の意向から、学閥を無視した完全実力主義の判断基準により、全国の大学から優秀な医師を集めました。優秀な医師には往々にして気骨 のある人物が多く、それにより設立当初こそ個人主義に走りがちになりましたが、久留の采配と医師同士の切磋琢磨により、がん治療に特化した治療体制が確立 されました。

病院付属の研究所というものは臨床研究が中心の所が多いのですが、がん研究センター付属研究所の初代センター長である中原は、設立当初から基礎研究重視で 人材を集めました。成果が上がるのかと周囲から心配もされましたが、幅広い基礎研究を中心に据えた研究所は、臨床研究だけでは得られない数多くの成果を挙 げていきます。


治療・研究・啓蒙の3面からがん征圧を目指した国立がん研究センターは、設立後10年で、胃がんや肺がんの早期診断法・肝硬変や肝がんの安全な外科手術法 を確立する等、先進的ながん治療および研究の成果を残します。1968年からタイ国立がんセンターの設立に参画し、1971年にはWHOの国際胃がん情報 センターを附設するなど、国際的にも注目と期待を集めるようになりました。


現在、国立がん研究センターでは、がん治療に特化した病院ならではの、外科手術・化学療法・放射線治療の3分野を単独もしくは融合した、最新医療技術による治療が受けられます。

がん治療法として今なおもっとも有効な方法である外科手術の技術はもちろんの事、がん研究センターは、近年、新たながん治療法として海外でも徐々に普及しつつある放射線治療法に関しても、高度な技術を備えております。

放射線治療の分野では、元々日本は世界を先導する立場にありました。がん研究センターは1997年に陽子線治療棟を設立し、筑波大学に次いで国内で二番目に臨床専用の陽子線治療装置を設置しました。

国内では一部の施設でしか受ける事のできない高度な技術と最新機器を必要とする外科手術および放射線治療が、がん研究センターでは可能です。


旧来からの代表的ながん治療法である外科手術・化学療法・放射線治療法の3つの治療法の他に提案されるがん治療法を総じて、代替医療と呼びます。3つの代 表的な治療法と比べて効果が少ない事が多いとされる代替医療ですが、近年、非常に画期的なこの分野の研究が、がん研究センター所属の研究者から提案されま した。

がん研究センター付属研究所の現センター長でもある中村祐輔は、がん細胞を非常に特異的に攻撃する免疫細胞、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)を人工的に増 殖させるワクチンを研究開発しています。このワクチンは、がん細胞からのみ生産されるペプチドを含んでいる事から、がんペプチドワクチンと呼ばれていま す。がん細胞由来のペプチドを人工的に体内へ注射する事によって、CTLの増殖を促し、患者のがんに対する免疫力を高める治療法です。ただ漫然と免疫力を 高めるのではなく、がんにのみ特化した免疫力を高めるため、これまで提案されてきた免疫療法よりも遥かに大きな効果が期待されます。

現在、このがんペプチドワクチン療法は、がん研究センターだけでなく、全国優良大学の大学病院にて臨床研究に取り入れられています。新たながん治療法として、大変期待されている先端研究です。


がん知識の一般への啓蒙についても、同センターは積極的に取り組んでいます。2006年にがん対策情報センターを設立し、自ら先導して日本のがん対策を推進しています。また、がん予防・検診研究センターでは、国民へがんの予防及び早期発見を積極的に呼び掛けています。


ライター:Eriko Kinashi
2010.12.21 執筆

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