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職員数 約1500人
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国立研究開発法人
物質・材料研究機構

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歴史・特色

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『鉄鋼の父』と呼ばれる本多光太郎以来、日本は鉄鋼に関する研究において、常に世界を牽引する存在であり続けてきました。国を上げて鉄鋼研究に邁進すべく、旧科学技術庁(現文部科学省)は、1956年に金属材料技術研究所を、1966年に無機材質研究所を設立しました。

金属材料研究所は、産業界の各分野に使用される金属材料の品質向上を、総合的な観点から目指す事を目的として設立されました。一方、無機材質研究所は、無機材質の創製に関わる材料研究を専門的に行う目的で建てられました。

2001年、物質・材料科学技術水準の更なる向上を図ることを目的に両研究所が合併され、現在の物質・材料研究機構が設立されました。また、合併と同時に政府直属から離れ独立行政法人化されました。

合併・独立行政法人化後の同研究機構の発展は目覚ましいものがあります。同研究機構から発表される論文は年間1000以上、そのうちの9割は材料科学・物 理学・化学分野に属します。特に材料科学分野における同研究機構発の論文被引用件数は、合併・独立法人化以前の5年間と以後の5年間とを比較すると5倍以 上増加しました。論文被引用件数の世界ランキングも31位から3位へと飛躍的に上昇しました。

同研究機構がこのように急速に発展した背景には、合併・独立行政法人化後、「明日を創る材料研究」「使われてこそ材料」をモットーに熱心な研究開発に努 め、更には積極的に民間企業との連携を行うようになった等の努力があります。現在では、ロールス・ロイス、トヨタ、Leica、EMPA等、国内外の大企 業・優良企業と連携し、成果は着実に上がってきています。合併・独立法人化以前は0だった民間との連携実績による収入が、2008年には年間約8億円まで 増加しました。


同研究機構の驚異的な発展を支えるのは、ナノテクノロジー基盤、ナノスケール物質、情報通信材料研究、生体材料研究、環境・エネルギー材料、材料信頼性から成る6領域のプロジェクト研究です。

本多光太郎を初めとする歴代著名研究者らの存在からもわかる通り、日本は元来、工学分野では、主に材料科学研究において世界を先導してきました。同研究機 構でも材料科学研究を重要視しています。特に近年、国際的に競争が激しい分野である超伝導材料研究についても、積極的に取り組んでいます。超伝導材料セン ターのセンター長を務める熊倉浩明は、MgB2新超伝導体の高性能かつ低価格な線材やコイルの開発に関する研究を進めています。研究成果は、MRIやリニ アモーターカー等の技術に取り入れられ、医療から運送まで広範囲に渡る業界の発展に繋がるでしょう。

昨今、地球レベルでの経済の急速な拡大に伴い、レアメタル・レアアース等の希少資源の枯渇が危惧されています。同研究機構内の元素戦略センターでは、材料 の性能効率を高めることでレアメタル使用量を減少させ、最終的にはレアメタルフリーを目指す研究や、問題が環境などの諸側面に及ぼす影響についての科学的 な分析などを精力的におこなっています。

他に、計量高分子複合材料や耐熱セラミックス複合材料等の新材料開発、材料の安全性・信頼性を評価する手段の開発も行われています。

今後の科学技術発展には欠かせないナノスケールでの材料研究も行われております。ナノ粒子、ナノチューブ、ナノシート、ナノ有機モジュール等の新規ナノス ケール物質の創製、またそれらを高度に組み合わせて実践に取り入れる手法の模索が行われています。ナノスケールでの材料研究を支える基盤研究にも取り組ん でおり、1つの機関内において技術から応用までが広く深く研究されています。同研究機構のナノスケールでの材料研究および基盤研究(MANA)は、日本政 府により、世界トップレベル研究拠点プログラム(WPI)の5機関対象のうちの1つに、独立行政法人としては唯一選ばれました。

研究開発された新材料や作成手法が確立された既存材料、そしてナノスケールでの研究成果を融合して、社会の情報通信、医療、環境・エネルギー等の方面へ還元する取り組みもなされています。

このように同研究機構では、世界の技術発達のため、特に材料技術分野において、基盤研究から応用、そしてそれら研究成果の安全性・信頼性に及ぶ広い範囲で、各分野の境界を乗り越えて研究開発が進められています。


同研究機構は、現在成果を出している研究だけでなく、将来への投資も惜しみません。次世代の物質・材料技術の発展に繋がる可能性の高い研究を『萌芽的研究』と名付け、各自にラボを設置しています。各ラボ内では研究者らが独自の発想に基づいた研究を行っています。

他に、より迅速かつ円滑に研究開発を進めるために、『研究クラスター』という名称の独自のシステムを備えております。各研究分野から組織横断的に知見を結集して、情報収集と発信、研究課題と計画の検討、施設・設備の開発・導入を行う研究体制です。


材料技術発展のため、民間企業に限らず大学・研究機関とも国境を越えて連携しています。ケンブリッジ大学、北京大学、ニューヨーク州立大学等、アジア圏から欧米、ヨーロッパ圏に渡る広く世界中の大学・研究機関と研究協力協定を結んでいます。また、ワシントン大学やモスクワ大学等と提携し、優秀な博士後期課 程の学生を受け入れる留学体制も整えています。


ライター:Eriko Kinashi
2011.04.11 執筆

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