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国立研究開発法人
国立循環器病研究センター

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歴史・特色

公式サイト
http://www.ncvc.go.jp

歴史・特色

超高齢化時代を迎えた現代の日本社会における3大死因は、1位:がん(悪性新生物)、2位:心疾患、3位:脳血管疾患です。中でも心疾患と脳血管疾患は同じ循環器の疾病として多くの共通項と関連を持っており、2つを切り離しての研究・治療は現実的ではありません。
国立循環器病センターは、「国の医療政策と一体となって国民の健康を守る」使命の元、上記の心疾患や脳血管疾患に代表される循環器病の研究・治療を目的として、1977年に設立されました。

病院と研究所を併せ持ち、研究成果をすみやかに患者の治療へ活かせる“トランスレーショナル・リサーチ”を設立当初から実行しています。2010年には、基礎・臨床研究から治療や製薬等への製品化までの過程をよりスムーズに進行するべく、『研究開発基盤センター』を新たに設立しました。研究・治療とそしてその2つを繋げる役目を負う研究開発基盤センターを抱える同センターは、世界最高水準の循環器病医療を可能にする機関として、国内外から高く評価されています。

心臓血管部門と脳血管部門

研究・調査の結果、多くの心臓病の患者は脳卒中のリスクを高く持ち、多くの脳卒中の患者は心臓を初めとする他の循環器系の疾病のリスクを高く持つ事が判明しています。循環器系の疾病において、「心臓」と「脳」は密接に関係しています。真に循環器疾患の究明と制圧を求める時は両者を連携して扱う事が重要です。

同センターの病院では設立以来、「心臓血管部門」と「脳血管部門」を併設しています。このように高度専門領域の部門が同じ研究所内に併設される例は世界でも他にありません。治療においては上記2つの部門が連携して取り組む体制を取っており、最高水準の循環器病医療を提供しています。
当病院では、国内でも先駆けて心臓内科系CCUやSCU(脳卒中集中治療室)を設置してきました。特に前者の試みがきっかけとなって、心筋梗塞の死亡率が20%から5%程度にまで減少する成果が見えています。

2008年からは救急医療への対応を強固にするため、救急車内から当センターへ患者の状態を詳細かつスピーディに伝える「モバイル・テレメディシン・システム」を取り入れました。当該システムの導入により、一刻を争う救急医療の現場で大幅な時間短縮が達成されたことが、300以上の症例からの統計にも現れています。そのうち44症例を占める心筋梗塞においては、死亡症例ゼロの功績を見せています。

心臓移植と人工心臓

同病院ではいち早く「心臓移植対策室」を設置し、以来、この分野におけるパイオニアであり続けています。現在、日本国内で行なわれる心臓移植事例の3分の1が当病院内で行なわれています。そこには、多くの実績や最先端技術を習得した医師の存在だけでなく、同センター独自の“トランスレーショナル・リサーチ”の成果も大きく影響しています。

心臓に限らず臓器移植治療は、必要 とされたその時に施術が行なわれる可能性は低いです。多くの場合、患者は、臓器提供者が現れるまで疾患を抱えた状態で待たなければなりません。心臓移植を 希望する患者の場合、実際に移植手術が行なわれるまでは補助人工心臓を頼りとする場合が多いです。

同センターの研究所では、体外に大きなポンプ駆動装置を設置しなければならない従来イメージとはまったく異なる、画期的な補助人工心臓を開発しました。この「植え込み型小型補助人工心臓」は単二 乾電池程度の非常にコンパクトなサイズ、そのためポンプ本体を体内に埋め込む事ができ、腹膜を貫く細いケーブルを体外のバッテリーに繋げば、患者は屋外で 自由な活動が可能となります。
この心臓移植と人工心臓の例のみならず、同センターでは、より確実でスピーディな形へ医療を革新するため、臨床現場と研究所が緊密に連携して治療と研究を進めています。

ペプチド・ホルモン「グレリン」の発見

1999年、同センターの寒川賢治・児島将康らは、胃よりペプチドのホルモン「グレリン」を発見しました。
後々、 多くは胃より、他、腸管・視床下部・下垂体・膵臓・腎臓・胎盤・精巣などから少量、分泌される事が判明したグレリンは、当初は成長ホルモンの分泌を促進す るホルモンとして発見されましたが、現在では食欲亢進・エネルギー代謝調整・循環器系の保護など幅広い生理作用を司る事が判明しています。
老化予防、拒食症やカヘキシア(低栄養状態)の治療、慢性心不全・慢性閉塞性肺疾患などの治療に大きな効果があるとして製薬化が進められています。

国立循環器病センターの将来

同センターで行なわれている研究はすべて、臨床への応用をゴールとして進められています。新設した『研究開発基盤センター』では、研究成果をよりスムーズに臨床へ繋げるべく、シーズの発掘から機能解明、研究、そして臨床への応用までを一貫して行なう体制を整えています。
今後とも同センターは循環器病の究明と制圧に向けて邁進して行くでしょう。



ライター:Eriko Kinashi

2011.11.21 執筆


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