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大学 & 研究機関

教職員数 約35名
大学院生 約10名
共同研究者数 約150名(スーパーカミオカンデ実験・XMASS)

東京大学宇宙線研究所附属神岡宇宙素粒子研究施設

歴史・特色

公式サイト


岐阜県飛騨市の神岡鉱山内に東京大学宇宙線研究所の神岡宇宙素粒子研究施設があります。この地下1000メートルに建設されたのが、大統一理論が予想する陽子崩壊を観察するための装置「カミオカンデ(KAMIOKA-Nucleon Decay Experiment)」で、1983年に完成しました。カミオカンデは3,000トンの超純水を蓄えたタンクと壁面の1,000本の光電子増倍管からなり、1987年2月23日、大マゼラン星雲でおきた超新星爆発 (SN 1987A) で生じたニュートリノを世界で初めて検出しました。この業績により小柴昌俊東京大学名誉教授が2002年にノーベル物理学賞を受賞しています。

このカミオカンデを大幅に高性能化したものが1996年より稼働している世界最大の水チェレンコフ宇宙素粒子観測装置「スーパーカミオカンデ(Super-KAMIOKA Nucleon Decay Experiment または Neutrino Detection Experiment)」です。スーパーカミオカンデは、50,000トンの超純水のタンクと、約13,000本の光電子増倍管で構成されています。カミオカンデ実験に引き続き、陽子崩壊現象を探索するほか、スーパーカミオカンデではニュートリノの性質の全容を解明することを主要目的の一つとして、日本、アメリカ、韓国、中国、ポーランド、スペインの約30の大学や研究機関との共同研究が行われています。1998年には、大気ニュートリノの観測によりニュートリノ振動(ニュートリノが飛行する間にその種類が変化する現象)を発見し、ニュートリノに重さがあることを明らかにしました。また2001年には太陽ニュートリノ振動を発見しました。

1999年から2004年までは、つくば市の高エネルギー加速器研究機構(KEK)の加速器でニュートリノを人工的に作り、250km離れたスーパーカミオカンデでこれを観測するK2K実験(つくば―神岡間長基線ニュートリノ振動実験)がおこなわれ、大気ニュートリノ観測で発見されたニュートリノ振動を、人工ニュートリノを用いた加速器実験で確立しました。さらに2009年からは、より強力かつ高性能なニュートリノビームによるT2K実験(東海―神岡長基線ニュートリノ振動実験)を開始しており、ニュートリノ振動のより精密な研究が可能になると期待されています。


神岡宇宙素粒子研究施設では、宇宙のダークマターを直接観測するための、液体キセノンを使った検出装置(XMASS)の建設も進められており、2011年春から本格的に観測が開始される予定です。その他にも神岡の地下の実験環境を活かして、重力波(時空のさざ波)を検出するための研究や、地球にふき付ける「暗黒物質の風」をとらえようとしている次世代型暗黒物質探索実験なども進められており、宇宙と素粒子の世界最前線の研究がおこなわれています。


ライター:Sachiko Toso
2011.03.09 執筆

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