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財団法人メディポリス医学研究財団
がん粒子線治療研究センター
歴史・特色
財団法人メディポリス医学研究財団
現代の日本において、今後益々増加が懸念されるがんや生活習慣病などの疾病に対応すべく、財団法人メディポリス医学研究財団は2006年に設立されました。
同財団は「創薬と医療技術の向上を支援し、人類を苦痛から解放する」という理念のもと、『高度な先進医療』『予防医学』『こころのケア』『創薬・臨床研究』の4分野に主眼においた研究と治療を行っています。中でも『高度な先進医療』の主軸として設立されたがん粒子線治療研究センターは、当財団のメイン事業として内外から大きく注目されています。
がん粒子線治療研究センター
同センターでは、粒子線の1種である陽子線によるがん治療の研究と臨床を行っています。粒子線治療法は、がん細胞に対して局所的に攻撃できるため、根本的な治療が望め、痛みがなく、しかも周辺の正常組織への損傷が最小限に抑えられる事から、患者にかかる負担が少ない「切らずに治すがん治療」として昨今、注目されている治療法です。
日本には2012年1月時点で、がん粒子線治療の臨床を行っている施設が9カ所あります。中でも同センターはセンター長に兵庫県立粒子線医療センター前院長である菱川良夫を迎えて、2011年より治療を開始した新しい施設です。
セ ンター内では、がんの粒子線治療に関する一般治療が行われています。陽子線治療では、色々な方向から照射できるガントリー装置が利用できます。3台のガントリー装置を設置していますが、1台を乳がん用に開発し、陽子線による乳がん治療実現のため、“トランスレーショナルリサーチ”の手法を導入し、数年以内に乳がんの治療ができるようにすることを目指しています。
費用面を見てみると、アメリカでがん粒子線治療を受けた場合約1000万円がかかりますが、同センターでは、1治療につき約300万円から治療を受けることができます。
同センターでは、治療計画のため、1週間は入院してもらいますが、その後は自宅からの通院か隣接するリゾート施設に宿泊通院をしていただきます。この宿泊施設は全86室で約300人の受け入れが可能。温泉を使った大浴場、プール・グラウンド・ジム、和洋のレストランなど、充分に設備を整えています。
医療技術はもちろんのこと、がん患者の肉体的・精神的な負担を極力無くして、がんの根本的治療を目指す同センターの姿勢は高く評価されています。国内はもちろんのこと海外からも、同センターでしか受けられない最先端医療技術と、患者の精神面まで受け入れて治癒する体制を求めて、多くの人々が訪れています。